久坂部 羊
廃用身

 まずはこの本を強く勧めてくれた知人に感謝。

まずはタイトルの用語:廃用身(はいようしん)、この言葉自体全然知りませんでした。まずはこの言葉自体の説明を見て、案外言葉は残酷なものです、憤りを覚えます。医療の世界や、差別をあらわす言葉になんて無神経な言葉の多いことか!


さて解説にも書かれている通り、この作品を一言でいえば「グロテスク」です。当時、私も通勤の往復の電車の中でこの本をせっせと読んでいましたが、何度も吐き気と寒気を覚えたのを今でも鮮明に思い出せます。


 少子高齢化、長寿大国日本がこれからより加速する中で、本の中で紹介されている「Aケア」なる治療?も読んでいて妙に説得力がありましたし、自分が患者の立場であれば、そうしてもらっても後悔しない!いや積極的にそうする、などとも思いました。


 とにかく、物語をすすめる主要な人々は強い正義感を持った方々ばかりです。ですので「Aケア」が余計にグロテスクに映ります。また、家族による虐待なども、「私が歳をとった時も同様の扱いがされない保証はどこにもない」との不安もあおられました。


 (言葉全然足りませんが)自分の老後の事や、今現在の高齢者への接し方など改めて整理できる衝撃の作品です。