こんばんは。

 

ガッキーの結婚発表からなんか知らないけど、元気がでないパパです。

最近、Nさまのブログ「医学部女子親のブログ」をとても楽しく拝読させていただいている。

 

Nさまの娘さんは成績が良すぎて、いわゆる空中戦を繰り広げていた人なので、あまり(というか全く地上戦には)参考にならないのが残念です。涙

 

地域枠にについても書かれていたので、読ませてもらって制度について色々考えてみました。知り合いの医師と、この話題で話したときはかなり悲しい話も聞きました、、、(とても書けない)

 

1.やっぱり地域枠って罠だよな~と思ったのは、いたいけな高校生をターゲットにしているってこと。

 

高校生って、思春期真っ盛りで、臆病な自尊心(山月記)というか、思い描く自分のあるべき姿と親に依存している実態の間で、認知が歪みがちな時期ですよね。

自分のようななんでもない人間に地域医療を支えるという崇高な使命を与えてくれる制度(ついでにお手当もくれる)に、飛びついちゃいますよね。こういう単純な手合は、先生の受けも良いので、内申点も高いでしょうし、コミュ障でもないはずです。わかっていない教師も、わかっていない親も、応援してくれるでしょう。まあ単純に考えて、そんな崇高な理念を突然子供が言い出したら親はうれしいでしょうよ。

 

2.「医学生」になった瞬間に、自己評価が激上がりする。

 

これまで、なんでもない高校生だった子供が、医学部に合格すると「医学生」になります。←東大生とかもそうですね。

 

「なんでもない」→「医師の卵」 の変化は、劇的でしょう。周りの態度も変わるでしょう。

 

まあ、当然(良い意味で)欲がでます。合格までは「医者になれれば夢が叶う。地域医療で人の役に立ちたい」と考えていたとしても、やがて、「研究医になりたい」「英語でばりばり論文書きたい」「海外留学したい」「その分野で抜きん出ている大学の大学院に行きたい」など考え方も変わります。もともと成績が良いのは、欲があって努力しているからですし。

 

3.高校生は「医学」を勉強していないから、自分がどの程度だかわからない。

 

数学や物理だと、受験勉強しているうちに自分の才覚がわかります。超絶に数学ができたり、物理ができたら、医学部を希望しないですよね。怒られちゃうかも知れないけど、医学部を受験する人は、高いレベルで身の程を知った人なのではないでしょうか?(ちがうかも)

 

でも、医学部での授業は暗記が多く、あまり特別な才能のいらない授業なので、努力が報われちゃう領域とおもわれます(研究は別でしょうが)。

 

4.地域枠はアカデミックポジションは考えるなと言わんばかり。

 

全部がこれまで勉強したことない領域なので、この分野を極めたい!と思う分野が出てくるかも知れません。好きこそ物の上手なれなので、なりふり構わず勉強すれば、数ヶ月でその分野の基本的知識は覚え込めると思われます。(数学や物理とは違って、基本生物学ですからね) 知識が増えれば、会話もわかり、論文も読め、どんどん興味はわくでしょう。

 

でも。地域枠の人は、なにかに打ち込もうとしても、多くを諦めないといけないんですよ。

 

基礎系の研究者なんて、もってのほかだし、臨床でも専攻分野が実質的に制限されます。9年地域にいたら、大学院に入るチャンスを逸しやすいし、専門医が優先されるでしょう。でも、博士号がないとアカデミックポジションや、大きな病院の部長にはなれないようです。年齢が上がれば上がるほど、じわじわと限界が見える仕組みですね、これは。←世の中、全部そうですが。

 

5.なんか、戦時中の「医学専門学校」を想起させます

 

現在、多くの医学部では「地域枠」を理由に定員が臨時に増員されています。

https://www.mext.go.jp/content/20200312-mxt_igaku-100001063_009.pdf

令和2年度だと840人!

 

これ(地域枠)って、戦時中に(例えば)大阪帝国大学医学部の他に、大阪帝大附属医学専門部(手塚治虫が卒業生)が作られたのと、構造的に似ています。前者は、本土、後者は、前線と配属される場所も違います。

 

帝大医学部と医学専門学校は、制度として明確に区別されていましたが、今の一般枠と地域枠は一緒に机を並べて勉強して、実習をするわけですよね。ちょっと残酷です。

 

医者が行こうとしない病院って、きっと、医者が行きたくないそれなりの理由があるんでしょう。そこに若い夢のある若い医師を県が送り込むわけです。自分より成績の悪い同級生が、東京のブランド病院で研修に行くのを横目に見ながら、地域で研修するわけですね。

 

一般論として支配者は、「差別・分断」して支配しようとします。それが好都合だからです。学生時代は、一般枠は地域枠はお金もらえてずるいなあと思い、その後は、地域枠の学生は、一般枠は自由があり、出世のチャンスも多くてずるいなあと思うわけです。ほんとにやれやれな制度です。

 

6.地域枠女子の配偶者探しは無理ゲー

 

医学部女子・女医は、医師以外と結婚してもうまく行かないことが多いようです。となると、同級生や上級生、下級生などから探すことに。でも、一般枠だと、卒後東京などに行ってしまってダメになる(逃げられる?)リスクが高く、どうしても、同類の地域枠の男子から見つけなければならない。すごいストレスですよね。そうでなくても、選択肢が少ないのに。

 

7.人生のキャリアの中で、常にあと一歩を踏み出せない状態に縛られることになる

 

キャリア形成って、当然ですが、余裕でスイスイとはいかないものです。その時の運もあるでしょう。運をものにするのには、人よりちょっと抜きん出ることが大切です。そのため、みんな、「待ち」ではなく、「攻めつつ、待つ」わけです(ひたすら攻めるとリスクが高すぎる)。地域枠だと萎縮してしまって、攻められず、能力以下のポジションに甘んじる結果になったり、そもそも試合に混ぜてもらえない可能性さえ高くなります。先が見えちゃうと、モチベーションも下がり、つまらない人生になりそうです、、、

 

まあ、うちの娘は、上記問題のずっと手前で弾かれそうです、、、なんか書いていて虚しい。