10年前の恋 233

春　新しい年度が始まった4月。

彼女からメールが来た翌朝、

私はメールを送信しました。

「おはよう：

　おはようTちゃん。
　日に日に朝日が早くなっているのがわかりますね。今日は晴れているね。
　昨日久しぶりのTちゃんからのメール嬉しかったです。

　私のメール「Tちゃん」の連呼はあったと思いますが、

　名前の連呼もダメなのかな？

　引き込もっていてもよくないですね。

　対人恐怖症？になったのは初めて？なので。

　どうなるんだろう自分はと思いますが、普通にしていこうと思います。

　Tちゃんのメールで気持ちも落ち着いてきたのか、

   昨日夕方6時すぎにサインをもらいに店舗に行ったら

　Bさんが1人居て、ちょっと仕事のお話しができました。

　「午後から外勤だったの？」って聞いたら

　「そう〇〇町まで行ったんだよ〓」「遠いよねー」「そうなのー〓」など

　短い会話でしたが、良かったです。
　ゆっくり自然に普通にですね。
　業務が始まるとBさんともTちゃんとも1日話す機会がないから

　夕方にチャンスがあれば話せる状況で、

　昨日からはTちゃんのメールのおかげで引き込もっていないつもりでした。

　昨日はTちゃんの姿は見えたけど顔を合わせる機会もなかったと思います。

　昨日は早く帰ったのかな？

　今年は畑や芝生の手入れを一緒にやって学んでいきたいので、

　いつでも連絡ください。

　花の成長をじっくり観察できたらと思っています。

　昨年もほとんど見ることができなく残念な気持ちでした。

　こんなこと言ったら重いと思いますが、

　好きな人が愛情込めて作っているものをゆっくり見たいと思って、

　昨年7月の土曜日の朝に見に行ったことがあります。

　いろいろ植えているんだなーっと、

　花の名前などよくわかりませんが、水まきをしてみました。

　お客様との話題としてビルの裏の畑のお話しをしたこともあります。

　今年は畑仕事して日焼けしようかな。
　よろしくお願いします。」

その日の夜、私は近所にある実家に用事をたしに居たところ、

10時前に彼女からメールが着ました。

この時間にメールが来るのは珍しいことで私は慌てて確認しました。

「おはようございます：

　朝ですね、イトウさん。
　昨日は、イトウさん忙しかったですか？
　時々仕事してるイトウさんの顔が見えました。
　イトウさんの対人恐怖症が少しよくなったみたいでよかった。
　本当言うとイトウさん大丈夫かなって心配してました。
　今日はBちゃん休みだけど、来週またイトウさんが普通に話せますように。
　イトウさん、頑張って！
　運転気をつけて。
　イトウさん。

　[↑]名前の連呼…してみました(笑)
　私はあっさりしたメールが好きですが、イトウさんは平気？
　気持ちが入るとそうなっちゃうのかな。

　昨日は娘が学校で具合悪くなって、途中で迎えに行かせてもらい、

　病院受診してから戻りました。
　吐いていたので、今流行っているお腹の風邪かも。
　下の子にうつらない事を願います。
　その前の日は塾の説明会があり、18時にダッシュであがらせてもらいました。
　今週はBちゃんを倍くらい働かせてしまった〓

　私もBちゃんも日々の仕事と家庭のことで忙しく、

　イトウさんのことはあまり話題にあがりません。
　帰りぎわに少し雑談するけれど、あとはずーっと仕事モード。
　だからイトウさんも普通に働いてたらいいですよ。
　気にするエネルギーがもったいない。

　気がつくとすごい仕事量になっているので、Bちゃんが、

　イトウさんの何気ない一言に怒ったのは、忙しすぎるからかもしれません。
　二人で協力して、Lさんにも手伝ってもらって、

　なんとかやってるので、大目にみてください。
　私もしばらくは自分のことで精一杯です。」

それから追記で再度メールがありました。

「失礼しました：

　明日、読み直して送ろうと思ってたメールでした。
　おやすみなさい。」

どうやら明日送るメールを夜に作成して

誤って送信してしまったようでした。

彼女、イトウの連呼をして

ちょっと、ふざけたメールしてくれ、

やっぱり私のことを嫌っていないのだなと感じました。

そして私は短めにさっぱりしたメールを返信しました。

「Re;失礼しまた：

　今、実家にいます。メールありがとう。
　おやすみなさい。〓」

つづく。