ネタバレ付き覚書 トーキョー・プリズン 柳広司 角川文庫

 

物語が終わってしまう

読み終えてしまうのはイヤなのにグイグイ読んでしまった

 

池袋サンシャインシティのある場所に存在した

巣鴨拘置所を舞台とした小説

 

小説の時系列での名称はG.H.Q.監視下だったため

巣鴨・プリズンが正式かな?

 

インパクトのある表紙が本編の主役キジマ

土気色の肌に痩せた風貌はなるほどガチ土食ってたのか!と

思わせ読後も驚く😳

 

耳にする言葉がカタカナ表記されることで

フェアフィールドが物語を案内しているのが絶えず見てとれる

なるほど漢字を知っていれば聞いて漢字変換を自動に行い

記憶していくけれど日本語圏以外の方だなぁと

(もっとも日本語圏でも既知でない言葉には同様か!)

 

キジマが捕虜に対して振る舞った日本食の話

実際にあった話で耳にしたことがあった

 

食文化の違いがなんとも歯痒く

初めて聞いた時には涙が止まらなかった

戦中に用意したご馳走であったのに

伝わらないかーそうかーと

 

それでもイナゴ類はやはり日本の中でもアレなので

よくよくうまく説明しないと厳しい気がする

 

 

BC戦犯の話もしばしば実録やドラマで目にしたり耳にしたり

家族が巻き込まれたらキョウコのように頑張れるだろうか

 

身近にあった死というものがイツオの心を狂わせた

妹の伴侶であるキジマ

友人であるキジマ

親族として友人として接しながら反面では信じられず

その存在を消し去ろうと暗躍した

 

キジマは戦中の暴力を正当化しなかった

記憶を取り戻したからこそ罪を死を受け入れた

 

戦争のない時代にいるキジマの探偵家業

シリーズものとして読んでみたかった

キジマとフェアフィールド

キジマとキョウコ

どちらでもいいバディ小説になっただろうな