すでにオーディオインターフェイスは高いもの、安いものといくつか持っていますが、長いこと使用しているものにUR28Mがあります。

 

UR28Mは発売直後に通販では品切れ中だったため楽器屋の店頭で見つけて購入した覚えがあり、購入以来、デジタル入出力、ループバックなども備えヘッドフォン端子も2つと入出力が豊富、チャンネルストリップも使えることで配信用ミキサーとしてもずいぶん活躍してくれました。

 

しかし購入してから年数が経過しだいぶ酷使したこともあり、スイッチ類にもガタが出始めてきたため、UR28Mのリプレイスに新しいURシリーズといれかえてみようかと思い試しに安価なUR24Cを購入してみました。

購入前に検討したこと

ここ最近の192kHz対応の機種は音質が向上していることが多いようでUR28Mより音質が向上しているのではないかとの期待がありましたが、初心者の購入が多いようで肝心の音質に対するレビューがあまりなくよくわかりませんでした。

 

UR22CとUR24Cでは仕様として出力端子数以外ほぼ同じなのですが、最安の販売価格の差が小さいこともありUR24Cを選択しました。

 

開梱と外観

先代のUR22mk2などと比較するとグレーと黒の外観で引き締まった印象になりましたね。とてもかっこよいと思います。

本体重量は1kg相当あり、結構ずっしりきます。

 

地味なところですがモニターモードによりLEDの点灯色が変わったり、ヘッドフォン端子の左がモニタリングソースのバランス、端子の上がヘッドフォンボリュームとなってりおり頻繁にモニタリングソースのバランスを変えるにもよく考えられたレイアウトと思います。

こういうちょっとしたところにアイデアを詰め込んでくるのがヤマハらしいです。

 

背面にラインインプットやデジタル入出力があればいうことなしだったのですが、最近は上位機種のみ搭載ということが多くなっている気がします。

デジタル入出力は新しいURシリーズだとUR816Cのみのようです。

 

 

 

本体とPCはUSB3.0のAtoCケーブルで接続していますが、PCとの接続だとバスパワー動作のようでアダプター不要でとりまわしが快適です。

またドライバをインストールしなくてもUSBコンプライアンスで動作するようです。

 

UR28Mは鉄板の安定性でしたがいまのところUR24Cもかなり安定して動作しています。またPC電源からのノイズを拾うこともないようでノイズ耐性もそれなりによいように思います。

 

あまり新しくないPCでしたがレイテンシーは5ms台でした。

高速なマシンならもう少しつめられるのかもしれません。

 

音質チェック

やはり後発の製品だけあって録音・再生とも音質が向上している感があります。

 

マイクプリは例によってD-Preで音色バランスはわりとよく変なピークもないのでまとまり感があります。

キャラクターの異なるマイクプリと使い分けるとよいのではないかと思いますが、チャンネルストリップがよくできていて使いこなしで真価を発揮するといってもよいように思います。

 

搭載DSPによるチャンネルストリップは相変わらず便利で、ローカットや極性切替、コンプやイコライザーのかけ録りでメリハリをつけたりと自由度が高く非常に実用的で使いでがあります。

 

 

またチャンネルストリップはギターアンプのシミュレーターに差し替えることも可能でモニタースピーカーやキャビネットシミュレーターと組み合わせてギターアンプ/アンプシミュレーターとして使用することが可能です。

 

900STで試聴した限りヘッドフォンアウトの音量は平均的なもので不足は感じず、ぱっと気づくような不自然さやいびつさはなく、やはりまとまりのよい音で完成度が高いです。

DJモードはDJじゃなくても便利な機能

このUR24Cの売りであるDJモードですが、正直あまりよくわからないのでDJ向きならヘッドフォンアウトが2つあるほうが便利なような…と思っていたのですが、一つのヘッドフォンでいろいろとモニターの定位を変えられたり、DJ用途以外でも使ってみると便利なことに気がつきました。

 

dspMixFX UR-CでDJモードに切り替えるとMASTERのアウトプットソースをINPUTとDAWのバランスコントロールが可能になります。

 

 

あわせて本体前面のスイッチをOUTPUT2/STEREOにします。

OUTPUT1/SPLITだとINPUT1の入力が左チャンネルになりますが、これによりINPUTソースがモノラルに定位します。(INPUT1と2をステレオとしてリンクさせた場合、INPUT1のパンは左になります)

 

 

手元から離れたところに置いていたりして、本体のINPUT/DAWのバランスつまみに手をのばしにくくてもdspMixFX UR-Cのミキサー画面から操作可能ですので、なかなか使える機能だと思いました。

まとめ

総じて完成度が高くコストパフォーマンスに優れたインターフェイスです。

 

もっと上の価格帯のものと比較するといろいろと思うところもありますが、必要にして十分というか、これだけで済む場面も多そうで、価格帯的に初心者が手にしやすそうですが、チャンネルストリップとあわせてそれなりに経験がある人ほど楽しめる機種ではないかと思います。

 

REV-Xのリバーブもあるし練習スタジオに持ち込んでハープやボーカル用のプリとして使うのも悪くないかもしれません。…というかアンプシミュレーターもついているし、普通に楽器用プリとしても使えますね。