先週2月12日「GANTZ」。
そして「あしたのジョー」と立て続けに
原作マンガのリメークを見た。
先日「GANTZ」のダメなところが
「生と死」の核となるところを
すっ飛ばしているから
ただの殺し合いになってしまい
大きなテーマが抜け落ちている。
と指摘したあとのこの「あしたのジョー」。
対照的な評価の映画になった。

これは原作をとてもうまく構成しなおして
シーンとシーンのつなぎも飛躍が素晴らしく
テンポ良く2時間にまとまっている。
そのためストレスを全然感じず、一気に見れた。
これはシナリオがよく出来ているためである。
シナリオライターは「リタとナントカ」の
シナリオの篠崎絵里子さんだ。
力のある人だと思ってはいたが、男の世界を
ここまでしっかりはずさずに描いているのは
素晴らしい。

いろいろ気がついたのだけど、
テーマの「今日」と「あした」
の意味をしっかり少ないセリフの中で
推敲を重ね、そぎ落としている。
必要なセリフだけ残したという印象。
セリフが実にイキイキしてる。
「タンポポ」が比喩として「今日」から「あした」に繋がる
ポイントになっている。これでラストが救われる。

監督は「ピンポン」でも素晴らしかった曽利文彦監督。
出だしのドヤ街の雰囲気などは実に原作の味が出ていた。
試合の表現はやはり素晴らしい。
時間をコントロールがうまく見ているものの感情を
引き出していく。
出演者の山下智久、伊勢谷友介、香川照之は抜群だった。
良くここまで役に成りきったと関心至極。
山Pは賛否両論あるが、じゃあ、この役は彼以外に
誰が出来るかといったら今現在では
最高のキャストじゃないだろうか。

映画版の力石はちょっと小粒になってしまった印象。
尋常じゃない強さを印象付けるカットがほしかった。
伊勢谷友介は素晴らしい演技をしていたと思うが、
演出の問題だと思うが、できれば光と影をもう少し
印象付けられなかったか?逆光で登場するシーンなども
もう少しカメラアングルと光の陰影でドラマチックな
見せ方があったろうと思う。
ジョーの階級まで落とすのに力石にとっては
どれだけ大変なのかというのをビジュアルで
大きさを感じさせてほしかった。
全体にノペ~とした印象がしてもったいなかった。
そのせいか力石の神格化的強さが弱い。
ドラマとしては敵が強ければ強いほど、
盛り上がったはず。
香里奈は一人浮いていた。ミスキャストだと思う。

始めに書いたように原作をここまでリスペクトして
まとめた力量に拍手です。
素晴らしい映画でした。

ちなみに涙橋のセットは川も作ってスキップシティ
早稲田大学川口芸術学校の隣地区で数日撮影していた。
あんなにちっぽけなセットがこんなに
魅せることが出来るんだと関心。
だからあおりのショットが多かった(笑)