$アニメーション監督PONのブログ

私たち誰もが知っている<忠臣蔵>は、
まだ物語の途中だった―。

忠義という名の、気高く美しい愛が、
時代を超えて人々の心を打ち、膨大な数の小説、
映画、ドラマ、舞台に形を変えて、
今も語り継がれている史実<忠臣蔵>。
大石内蔵助以下、赤穂浪士四十七士による討入り、
切腹というクライマックスはしかし、
<忠臣蔵>の本当の結末ではなかった。

なぜなら赤穂浪士の中に、討入り後の
<使命を与えられた>二人の生き残りがいたのだ。

一人は、討入り前夜にすべてを捨てて姿を消した
瀬尾孫左衛門(役所広司)。もう一人は討入り後、
切腹の列に加わることを許されず、
大石内蔵助(片岡仁左衛門)より「生き証人として、
後世に真実を伝えよ」との密命を受けた
寺坂吉右衛門(佐藤浩市)。それから16年、
名誉の死を許されなかった二人が再会する。
かつては厚い友情で結ばれた二人が、
かたや命惜しさに逃げた裏切り者、
かたや英雄になれなかった死に損ないとして――。


日本人は自分の考えを人前ではっきり言わないとか、
日本人は何を考えているのか分からない、
と言う外国人がよくいます。
又、日本人が実際に言葉で言うことと本当に
考えていることが違うことがよくある、と言う人もいます。
そんな外国人にこの映画を見てもらえれば充分
理解できる映画になってます。

「北の国から」の杉田監督自身の生きかたがそのまま
映画にもちりばめられていると思う。
お互いがお互いを想いあい、簡単に気持ちを伝え合わない。
「謙譲の美徳」そのもの。
最近の日本ではあまりいい意味では使われない
くらい国益だとか情けない日本のリーダーのために貶められている。

映画全体に流れる「間」や人々の所作テンポ動作に
対する「受けの間」などしっかりリアルな
臨場感を感じさせてくれた。
ゆったりと心地よい時間に身を任せることが出来た。

役所広司の演技はすごすぎ!
強い信念と使命のために人生を全うする男をしっかり演じている。
これは彼以外考えられない。
桜庭ななみも素晴らしい美しさで少女から大人の女に
成長していく様を見事に浄瑠璃を間に挟み展開していく。
この部分の近親相姦的な危うさ、緊張感をこの二人が
やることによって見事に昇華してる。
例えば佐藤浩一が演じたらこの危うさ緊張感は成立しなかった。
桜庭ななみの代表作になった。


細かいこというと、あとを付けるシーンなどで間に坊さんの
行列を挟むとかうそ臭い演技で観客がシラケル要素を
一切排除している。細かいカットにも心が
行き届いていることが伝わってくる。

ラストの結末は果たしてこれでいいのかどうか?
ただ、この映画はワーナーが製作していることを考えると
外人から見た日本人として象徴的な映画かもしれない。
「最後の忠臣蔵」というタイトルは内容とあってはいない。
客を呼ぶためにキーワードとして使ってはいるが
もっと心に機微を最大限に描ききった傑作!




【謙譲の美徳】
へりくだりゆずること。
また、控えめであるさま。
如何なるときも他人を差別することなく、
心から尊敬する。
ほぼ日本人同士でしか分かり得ない日本民族特有の
伝統というか古くからの慣習