「リタとナントカ」6か月の監督、まるで想像もしなかった生活になっていた。
怒涛のごとく決断の嵐だし・・・。
しかし、振り返るととても自然にいろいろなことに手をつけていた。
無理に何かやっているというより、
流れのままに自然と当たり前のようにこなしている・・・。
初めてのことも多いが素直に「初めてなので・・・」
といって会議を始める。
ぜんぜん威厳の無い監督でした。
感情も起伏はあるが淡々としてる・・・。
監督になったということもうれしいとかきついとかあまり関係ない。
ボクにとって監督とは手段でしかない。
若い人たちが活躍できる場を提供できるための
手段なら喜んで監督を引き受ける。
やりたいことをやってたくさんの人を幸せにするという
ことを考えていたらなんとなく監督を受けてしまったということだ。
だから今回のクリエイターさんに
それぞれ1本出し(画コンテ、作画監督、
原画、動画、仕上げ、撮影)するということも
躊躇無く出来る。これがなん作品か監督をしていた人なら
まずしないことだろう。
仕組みの中で人を当てはめるのが
業界の流れだから。
ボクは個人個人のやり方やクリエイティビティを尊重して
それを高めるために仕組みを変えるということを試している。
それにはリスクをとらないといけないし、
ケースごとに面倒なこともある。
でもコンテンツをつくるということは
一つ一つ魂を入れていく作業だと思っている。
何より作家の魂が最優先だから今回のことは価値がある。
これからのコンテンツつくりの基礎となっていくと思う。
最近は猫も杓子もあまりに簡単に「コンテンツ」と言ってくれるが
本当にコンテンツと呼べるものは
2次使用3次使用に耐える心に響くものを言うのだ。
そのためには今までの仕組みの中でアニメを
創っていても限界だと思う。
もっともっとつくる人たちを大切にしないと絶対に
本物の「コンテンツ」に繋がらない。
だから「今」本気で関わっている。
監督って自分がやりたいと思ってなるものでなく、
周りが認めて監督に押し上げていくんだと思う。
今ボクは新しい人たちからは歓迎されているが
古い人たちからは憎まれているという構図なんだな・・・。
ちょうど過渡期の状況で、
これから「今」をきっかけに
業界も変えていく必要に迫られている。
今のまま進んでもアニメ業界には夢が無い。
もっと夢のもてる世界に変えて生きたい・・・。
今思うことはできなかったこと、なっとくいかなかったこと、
悔しかったこと、頭にきたこと、さまざまあったけど
やはりやってよかったと思う。
途中で辞めようかと真剣に考えたこともあったが、
最期までやってやはりよかった。
シナリオ、コンテ、演出、作画、美術、アフレコ、ダビング、V編
とすべてをまとめて体験できたということはおおきい。
この4カ月で日本のアニメーションの限界を感じたし、
もっと世界を対象につくっていくことの必要性を感じた。
今までの2Dの流れだけではなく3DCGを加味していく
流れ・・・。それはメカ的なものだけではなく
もっと自然なものでも融合が必要。
11月からのON AIRはランダムに放送されているので
近づいたら放送予定を書きます。
いろいろ思ったようにできなかったが
自分が監督した17本は素敵な映像を創ったと思っている。
(自画自賛と言われてしまうが、たくさんの人が
かかわっていることを考えると自信を持って出せないと
かかわった人たちに失礼になる)
みんなでいいものを創っているし、苦労もしている。
そう考えると監督は自画自賛しないとダメだと思う。
ボクだけのものではなくかかわったすべての人の
タカラだから・・・。
人と人とが密にコミュニケーションできたものがコンテンツとして
成立するんじゃないかとおもっている。