クリスマスは私たちの記念日 | 50才の恋愛日記☆プラスワン
 
 
去年のクリスマス
龍一と私は
自分たちのどん底を経験した

 
あれから一年

 
他の人たちから見たら
多分きっと
とてもささやかでちっぽけで
もしかしたら
単なる当たり前かもしれない

 
『ただ一緒に居られる』幸せを
 

私達は今、
毎日毎日噛みしめている


喧嘩や揉め事も含めて
二人でする全部が
嬉しくて楽しくてしょうがない


龍と手を繋いで
綺麗なイルミネーションを眺める


去年のクリスマス

私は頭が真っ白になってしまって
ただただ
ふーちゃんを抱きしめて涙を流した
ふーちゃんは言葉は発しないけど
『大丈夫。龍一は必ず帰ってくるから。』と
真直ぐなビー玉の眼差しが言っていた


こんな平和な
幸せな日がくるとは


ていうか
あの時は
未来とか先のことは一切関係なく
一瞬一瞬が必死だった

 
龍一は

『葉子が側に居てくれたから』
 
と、言ったけれど
 

龍一が頑張ったからだよ

カウンセリングに通って
行きにくかった精神科にも頑張って行ってくれた

そして
断られても断られても
丁寧に準備した履歴書を
何社も送り続けて面接を繰り返して
 
この一年、
本当にしんどかっただろう

就職先が見つからない不安、病気の不安、お金の不安

アイデンティティの揺らぎ
 
信頼できるカウンセラーさんに出会えたことも大きかっただろうけど
龍一は本当によく辛抱強く頑張った
 

そして
龍一は
ただ就職を決めるのではなく
前職より遥かにキャリアップした
 

ほとんどの人からすごいと言われる職業だと思うし
もちろん私もとても自慢だ
 

龍一は前職に叩きのめされたけど
ただ起き上がるだけじゃなく更に高いところを目指した
男の意地とプライドで何度失敗しても諦めなかった


本当に根性ある
この粘り強い根性に惚れ直した
新しい仕事そのものではなく
この仕事を掴み取った龍一の根性を誇りに思うし
自慢だ


「就職したら
葉子に贅沢させるって約束したでしょ。
僕、約束を果たせる仕事に就けたよ。」


龍一がポツリと呟いたのを聞いて
私はハッとした


仕事が決まってから
食事のチョイスが以前よりも価格設定が高めになって
いい仕事に就いたから日頃からセンスを磨こうとしているのかと思っていた


『僕、いい仕事に就いて、絶対、葉子に贅沢させてあげるからね。葉子が喜ぶ顔を見るのが僕の幸せなんだ。』


約束を果たす
そんな思いでいてくれたの?
あんなに辛いキツイ状況で????


どんなに自分が辛くても
私の事を大事にしてくれる人


龍一の私への愛情の深さには驚くばかりだ
こんな人いない
絶対いない



「それは、
これからもずっとそうだよ。」



そんなこと当たり前でしょ?


というふうに龍はサラリと言う



夢のような現実
龍一は龍一自身の努力と頑張りで手に入れた
でもこれはゴールじゃない
始まりだ
今、龍一は
龍一にとって最高の職場で
日々成長している


もっともっと
なりたい自分になれるように



私達は1月に出会った
龍一はキチンとカレンダーに
葉子と出会った記念日と
お付き合い記念日を入れている



そして
クリスマスは私達の
もう一つの大切な記念日になった