前から聞きたかったこと | 50才の恋愛日記☆プラスワン

 

「あのさ

僕たち、結構長く付き合ってるじゃない?

前から聞きたかったことがあるんだけど聞いてもいいかい?」

 

「いいよ」

 

「あのね

葉子は旦那さんを亡くして辛い思いをしただろう?

今も思い出して辛くなったりさみしくなったりするかい?」

 

旦那さんが亡くなったのは14年前

苦しいとか、辛いとか

思うことは

もうないな

 

旦那さんを亡くしたことから実感したことは

人は忘れるということ

 

「もう、辛いとか苦しいとかは思わないな

しょっちゅう思い出すけどね」

 

部屋には旦那さんの写真がたくさん飾ってある

どうしてあんなに早く死んでしまったのかなぁと思う

 

娘の卒業式や成人式

旦那さんそっくりの娘がニッコリと微笑むたびに

この輝くような笑顔をそばで見られないのは

本当に本当に理不尽だと思うのだ

 

子煩悩な旦那さんだったから

きっといつもいつも娘のそばにいるだろうけど

 

私が思い出す旦那さんは

いつも34才のまま

物静かにいつも微笑んでいる

娘は本当に旦那にそっくりだ

 

 

「今はさみしくないかい?」

 

「ぜんぜん」

 

「いいこっちゃ。

僕は弱っちいなぁ、、

僕は葉子と付き合ってから寂しがりやになったみたい」

 

、、、


、、、



実はだね

今ここに君が居ればなぁとは

いつも思っているのよ


いつも君の体温が恋しい

 

でもね

言わない

言ったらもっとさみしくなるだけだから

言ったらもっと恋しくなるだけだから

 

だから

なるべく言わないの


まぁね

言っちゃう時もあるんだが

それ

しくじった時だから

ウッカリ言っちゃってるだけだから



だからね



「ぜーんぜん

さみしくないよ」

 

 

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