【問題】

 

フィギュアスケートで盛り上がる日本ですが、

スケートリンクを見てみますと、「白」ですよね。

銀盤の貴公子とか銀盤の女王とか言われるように「銀」ではありません。

また氷だから「透明」でもないのです。

実はあえて、白く作っているのですが、その理由は何でしょう??

 

 

 

 

 

 

【答え】

 

氷の下をはう、冷却パイプが見えないようにするため

 

 

【解説】

 

氷は透明なため、そのままでは下を這うパイプが丸見えです。

それでは美しくないので、凍らせる過程で、氷に白いペンキを塗ったりして、

白い着色を施し、パイプを見えなくさせているのです。

 

 

ちなみに、リンクはどうやって作るの??

 

フィギュアスケートのリンクは30m×60m1800平米というのが国際規格。

五輪や世界フィギュアはこの大きさのリンクで行われます。

氷の厚さは特に決まっていませんが810cmくらいの厚さは保つようにしています。

 

リンクを作る場合、一番下に冷却管を引きます。

その冷却管には冷たくひやされたブライン(不凍液)が流され、

そこに少しずつ水を撒いていきます。

 

水を撒くときは少しずつ行います。

バームクーヘンのように薄い層をいくつも重ねるイメージ。

そうすることで氷の密度が上がり、飲み物に入れる普通の氷とは

違う割れにくい氷になります。

厚さ8cmの氷なら1日に1cmずつで8日間かけられます。

 

 

過冷却という現象があって、冷蔵庫で作った氷が白く濁るのはこの現象のせいです。

そしてあの白い濁りは空気なので氷が脆くなるのです。

そうならないよう薄く水を撒いて凍るのを待ち、

その上にまた水を薄く撒いて……という作業を30分から1時間くらいの間隔で

繰り返します。1cmの厚さの氷を作るには20回以上も水を撒かなくてはいけません。

 

 

 

氷が厚くなったらそれで完成というわけでもありません。

整氷車を入れたり、人に滑ってもらって、氷に負荷をかけます。

そうすると氷が割れるので、そこに水を入れて凍らせてさらに氷の密度を高めます。

弱い氷だと選手がジャンプを跳んだときに大きく割れてしまうのですぐに分かります。

選手もその違いは感じているはずです。

つま先で踏み切る時、ちゃんと締まった氷ならしっかりとした反発力がありますが、

柔らかい氷だとズボッとつま先がめりこんでしまいますから。

そうならないように締まった氷を作るという訳です。

 

水も水道水をそのまま使うわけではありません。

パティネレジャーでは「ジェットアイス」という濾過器をカナダから取り寄せて、

不純物をできるだけ取り除いて使います。

そうすることでさらに氷の密度を高めています。

 

 

ちなみに、冷蔵庫の氷は白いけどなぜ???

 

冷凍室に、コップに入った水を入れたとします。

冷凍室の中は非常に冷たいために、水は急速にこおり始めます。

水はまず外側、つまりコップのへりに近い部分からこおり始め、

だんだん中心に向かってこおっていき、最後に真ん中がこおります。

このとき、真ん中の部分が少しふくらみます。

するとそこに小さな隙間がたくさんできて空気が入りこんでしまうのです。

この空気の泡が、氷を白くしているという訳なのです。

家庭の冷凍庫で作る氷は、ほとんど中が白くなってしまいます。

しかし、どんな氷もすべて中が白いわけではありません。

たとえば、冬、池にはる氷は、まるですき通ったガラス板のように透明です。

これは、池でできる氷がとてもゆっくりこおるからです。

ゆっくりこおると、中に空気が入りにくくなります。そのために透明な氷ができるのです。

家庭の冷凍庫は、水を急激に冷やすので、白い氷ができるのです。