ここ3日間、頭の片隅に入ったまま、食事の度に考えていることがある。
チャンポンの良さってなんだろう。
好きな人の良さなら、すぐに言葉に出せるのですが、
好きなチャンポンの良さは…言葉に出来ない。
ら~ら~ら~。

チャン+ポンという間抜けな五感は、愛されるネーミングの秘訣だろうが
それ以外はよく分かりません。



人はチャンポンに何を期待しているのだろう。
チャンポンのどんなところにテンションがあがるのだろう。

チャンポンさん。過度なプレッシャーをかけてごめん。
僕がチャンポンチャンポンって大騒ぎするほど、
日本三大チャンポンと言われる「長崎でも天草でも小浜でも」
好んで食べる人は、そんなにいないことは知ってるつもりだ。
なぜなら、あまりにも生活の中に溶け込みすぎており、
あえて今さら、取り立てて騒ぐ必要になかろうに。と。いう感覚だろう。



でもって、そんな疑問の答えが少し分かった気がしたのが、
長崎出張の2日間だった。もちろん2日連続でお昼にチャンポン。

まずは、思案橋の「天天有」という中国人が経営するお店に。


放送作家・横山龍太はこんなことが気になる。。


元々チャンポンは、福建省の中国人が長崎に持ってきたもので、
ほぼこのお店は元祖に近い味だろうか。

一口ずるずる。

おーーー!!
ほっほっほっほ~(頬骨あがる)
口の中に広がるのは当たり前で、胃の中に全体に広がる感じ。
こりゃ、うますぎる。
一気に生涯5本の指に入る一杯に躍り出た。

旨すぎて一人でニヤツク。
多分、この顔を見た人は10人中10人ムカツク。


スープをすする度に「ぷふぁ~」と。満足げなため息を連発。
首をひねりながらエア口元でつぶやく
「…なんで、こんなに美味しいのかな…」。


そんなムカツク仕草をしていると、バカな客だと思ったのか、
中国人の店員が僕に話かけてきた。
「いま出張中ですか?」と。

「うるさかね~!いま食事中だからほっといてよ」とは言ってないし、
「あんたこそ、中国からずっと出張中やん」とも言っていない。

客が1人で食事している時、話しかける厚かましさを学ばなきゃだめだ。
なので、僕も厚かましさで反撃を開始した。


「このスープの出汁は何でとってとるとですかね?」と。

「豚骨と鶏ガラでとったスープよ~」とあっさり返答。
「中国人が作る長崎ちゃんぽんといえば、

すべて豚骨と鶏ガラのWスープよ~」と、
美味しさの秘訣をどんどん話される有様。
この開けっぴろげ感が中国人のよさなのだろう。


豚骨のパンチと鶏ガラの深みと鶏から出た脂が合わさり、
もううまいのなんのって。
でね、野菜がこれまた旨い。

ここだろうな、きっと人がチャンポンに求めるものって。
野菜だよな。
おいしいスープに覆われた野菜を食べたいんだと思う。


リンガーハットが小さい口の女性でも食べやすいようにと
キャベツを細長く切って満足度を高めたように、
野菜をストレスなく、最後まで味わえる。

これがチャンポンの良さの一つではなかろうか。

それはちょうど、札幌みそラーメンに入っているコーンと同じ。
コーン単体なら食べたくならないのだが、
味噌ラーメンに入っているコーンの魅力たるや。。
スープから救い出す作業が楽しいのだ。


チャンポンでは、具材を炒めることによる、香ばしさがアップ。
その具材がスープの中に溶け込み、スープから救出する時に、
最大のテンションがかかるのではないだろうか。
スープに溶け込んだ具材。

麺と具材を絡めて食べると、ぐんぐんスープを引き連れてくる。
そのため、味もより深く感じるというわけ。

たとえ麺を食べ終えても、
スープの中に隠れている具材をかき分け食べるのが楽しい。
煮込まれたキャベツでもいいし、かりっと炒められた玉ねぎでもいい。


ということは、チャンポンの具材に適しているのは、
スープとの相性を優先に考えられた具材ではないだろうか。


そんなことは、百も承知で、今さら何を!と思うかもしれないが、
食し方のマイナーチェンジによっても新しく見えるはず。

例えば「生チャンポンで!」「焼きチャンポンで!」


蒙古タンメン中本のような「煮込まれた生野菜」が入るもの。
カリカリに炒められた焼き野菜とチャンポン麺が入るもの。


チャンポンはスープがベースだから、

改めてスープを強調しなくてもいいけど、
長所を強調するという意味で「スープチャンポンという設定も出来る。
最初は具材が全く見えず、全部浸かっているというもの。とかね。


野菜が麺に絡むように、
このような食べ方を地域に根付いた歴史や文化と絡めると、
新しいチャンポンが生まれる可能性も増すのではないだろうか。


ってな、チャンポン開発の様子と試食会を
天草ケーブルテレビで放送予定!
どんなチャンポンが登場するのでしょう!!




ちなみにですが、

「天草で変わったチャンポンの食べ方をしているお店、

ご存じないでしょうか」。
もしご存知であれば、お教え下さい!
天草でなくても全国どこでも構いません!



長崎2日目のチャンポンは眼鏡橋近くの「共楽園」。
鶏ガラベースのあっさりスープだったためか、
具材との協調性が無く、僕は美味しく頂けなかった。


放送作家・横山龍太はこんなことが気になる。。