【麺ジャーニー ~長崎ちゃんぽん編】


料理が運び込まれてきて、すぐにシャッターを切るバカがいる。
そう、私です。
いや、今までの私です。


例えば、篠山紀信は初対面の女の子を前にして、
すぐにシャッターを切るだろうか。
いや、恐らくそんなことはしない。

まずはその子のことを知ろうとするはずだ。
その子のどこがチャームポイントなのかをじっくり吟味。
解釈を経て、クローズアップする。
そしてどの部分が特に好きなのかをはっきりさせた上で
撮影を開始すると思うのだ。


やっぱ好きには勝てないと思う。

かつて、篠山紀信が週刊朝日で連載していた
「紀信の表紙」というコーナーがあったのですが、
そこで撮った自分の写真よりも絶対に敵わないものがあったという。

それは、その連載に応募してきた宮崎美子の写真であった。
ボーイフレンドが撮ったスナップ写真だったのだ。

紀信いわく「あの写真は、彼が大好きで、一生懸命に撮ろうとしている感じが、
ストレートに出ている。ぼくは、いくら宮崎美子さんに思いいれをしても、
あの写真はとれない」と。


前説が長くなりましたが、
そう、料理でも、その良さである味を知らない状態で
見た目だけで、シャッターを切るべきじゃないと思ったのであります。
もう今後一切そんなことはしない。
いや、そんな思いにさせられたちゃんぽんがこれだった。


長崎 桃華園「ちゃんぽん600円」。
自分史上3本の指にはいることは間違いない。
いや、ふるさとの天草よごめん。
恐らくこの桃華園のちゃんぽんは自分史上NO1だ。



まずはスープを一口味わう。
無言。。
無言。
食のレポーターいわく「あまりにも美味しい時には人は無言になると」
しかし、背筋に電気が走る感じがした、あまりの美味しさに。
うんまい。

透明な鶏ガラ100%のスープながら、
深い深い味が深い。甘い甘い甘いんだよちゃんぽんが。
あまちゃんなんだよ。

サラサラスープだけど、中華丼の餡のような口触りで、
とろみを感じてしまう。
何度も言う、サラサラなのに。
くせになる。ああ生きててよかった。
たちまちスープは全部飲んでしまった。

ちゃんぽんで全飲むみスープなんて、明月(天草)以来だ。

麺は細麺で少し平打ちっぽいが、これが甘いスープには抜群にあう。
これぞ唯一無二のちゃんぽんだった。


放送作家・横山龍太はこんなことが気になる。。



2杯目は「三角亭」 イカ力

一見オーソドックスなちゃんぽんに見えますが、これが変な味なのです。
なんか臭いんですね。でも嫌な臭さじゃなくへそごま的な存在。
徐々にはまってくる臭さ。
例え間違えた。
へそごまは、ただ単に臭いだけだから。


放送作家・横山龍太はこんなことが気になる。。


博多ラーメンの店内にはいると一瞬臭みを感じると思いますが、

あれと同じ感覚。
でもね、ここからが違う。

イカがスープのエキスに溶け込んでおり、豚骨をマイルドにし、
風味豊かになっている。

凄いねイカって。
まさにイカ力だね。
イカカ。じゃないよ、イカ力(いかりょく)ね。
ここ間違いやすいから要注意。