昨夜はなかなか寝付けず2時半頃に
ようやくウトウトし始めた。
いつの間にか寝ていた私は気付けば夜勤をしていた。
「あ、ヤバっ!23時の巡視行ってないや。」
時計を見て焦った私は慌ててエレベーターへ駆け寄り↑ボタンを押した。
扉は開いたがエレベーター内の照明が点いていない。
「アレ?なんで電気点いて無いんだろ?」
疑問に思ったがボタン操作は出来た為そのまま4ボタンを押す。
2階から4階へ移動している箱の中で私は軽く飛び跳ねた。
フワリと体は浮き1m近くジャンプする。
「やっぱり、日勤の時より夜勤の方が高さが出るんだよね。もうちょい強く跳ねたら天井に頭付くかな?」
先程より少し強く跳ねると身体がフワフワ浮いて軽く天井にコツンと頭をぶつける。
着地したところでエレベーターの扉が開く。
そこで目にしたものは、誰も居ないのに明々と照明が点いた3階病棟…。
介護施設のソレとは全く違うのに私は違和感すら感じていない。
エレベーターから1歩出ると歩行器を使って白い無地のTシャツに白っぽい寝間着のズボンを履いたお婆さんが部屋から出て来た。
が…お婆さんの顔が無い。顔どころか、首から上が無いのだ。
一瞬、背筋が凍る。だけど私は夜勤中だ。相手は利用者だ。
「トイレですか?気をつけてね~」
その場から動かず手を振ると、相手も手を振る。
『あ…頭なくても見えるんだ。』
そう思った所で、ふと目が覚めた。
『あれ?夜勤中じゃなかったっけ?』
寝ぼけ頭で考える。
『いやいや、夜勤前夜だよ。にしても、変な夢だったな。あ…でもエレベーターの中は楽しかった』
再び目を閉じ眠りに落ち、朝が来た。
思い返してゾッとした。
あのまま「大丈夫ですか?」と声掛けして、お婆さんに付き添って行ってたらどうなってただろう?
私はコチラに帰って来れなかったかもしれない。