今、突然に
「下手な落書きは本当に腹ただしい。
そういう意味ではネアンデルタール人なんだよ、こいつらは」
『ネアンデルタール?』
「兄貴も学校で習っただろ? ネアンデルタール人とクロマニョン人。
俺たちの子供の頃の授業ではさ、もっともらしく、
ネアンデルタール人が進化してクロマニョン人になりました。
なんて教わったけど、実際は違うんだ。」
『学校で教わるのは、「物事を簡単に信じるな」ってことだ。』
「ネアンデルタール人は、クロマニョン人とは別物なんだよ。
どこかで勢力の交代があったんだ。
今はそういう説が有力だ。
理由は分からないけど ネアンデルタール人は滅びた。
で、今の人間達はクロマニョン人、つまりはホモ・サピエンスって呼ばれる奴らの末裔らしい。
ネアンデルタール人とクロマニョン人の違いはわかる?
両方とも狩猟に頼っていたし、道具も使っていた。
まぁ、クロマニョン人は農業をやっていたっていう人もいるけど。
たださ、何万年かは、両者はともに地球にいたんだ。
違う動物なのに、共存していた。
ただ、ある一点、決定的な違いがあった」
『何だよ』
「クロマニョン人は芸術を愛したんだよ、兄貴」
(重力ピエロ/伊坂幸太郎)
という文章を無性に読みたくなった。
絵を描いてたからだと思うけど。