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 第53回宝塚記念(24日、阪神11R、GI、3歳以上、芝2200メートル、1着賞金1億3200万円=出走16頭)池添謙一騎手騎乗の1番人気オルフェーヴル(牡4歳、栗東・池江泰寿厩舎)が直線内めを突き抜けて優勝。5つ目のGIタイトルを獲得した。勝ちタイム2分10秒9(良)。

【写真で見る】内から力強く抜け出すオルフェーヴル

 2馬身差の2着には中団前めから伸びた2番人気ルーラーシップ、さらに1馬身1/4差の3着には後方から馬場の内めを鋭く伸びた6番人気ショウナンマイティが入り、3番人気ウインバリアシオンは4着、4番人気エイシンフラッシュは6着、5番人気トゥザグローリーは12着にそれぞれ敗れた。

 逸走、調教再審査、そして2ケタ着順での惨敗……。今春、大きな挫折を味わった昨年のクラシック3冠馬・オルフェーヴルが、夏の仁川で復活の雄たけびをあげた。

 道中は中団馬群の後方を追走。課題の折り合いをクリアしながら、馬群の中でじっくりと息を潜めた。勝負どころの4コーナー。オルフェと相棒・池添騎手がとった作戦は、この日の“外差し馬場”を無視するイン強襲だった。

 ルーラーシップを筆頭とした有力馬たちが外へと進路を取るなか、経済コースを進んだオルフェは直線で一気に弾けた。上がり3Fはメンバー最速の34秒7。直線の急坂で先頭に立つと、追いすがるルーラーシップ以下を2馬身ちぎってフィニッシュ。同レースのファン投票で堂々1位(7万2253票、得票率70.6%)に選ばれた昨年のチャンピオンホースが、ファンの期待に見事に応えた。

 オルフェの復活に大粒の涙をこぼしたのは池添騎手だ。相棒がスランプに陥るなか、同じように大きなプレッシャーと戦ってきた。

 「(まわりから)いろいろなことを言われて、本当にキツかった。それでもこの馬が一番強いと思っていたし、やっと強い姿を見せることができました。4コーナーでは開いたところを突っ込もうと思っていた。内の馬場が悪くて外が伸びる馬場でしたが、関係なかったですね。完ぺきではないのにあれだけのパフォーマンス。ホッとしました。(凱旋門賞挑戦は)オルフェーヴルが大丈夫なら向かっていくと思いますし、楽しみですね」

 一度は暗雲がたちこめた凱旋門賞出走が一気に現実味を帯びてきた。海外遠征は実現するのか。復活を遂げたオルフェーヴルの動向からますます目が離せない。

 オルフェーヴルは父ステイゴールド、母オリエンタルアート、母の父メジロマックイーンという血統。通算成績14戦8勝。重賞は11年のフジテレビ賞スプリングS(GII)、皐月賞(GI)、日本ダービー(GI)、神戸新聞杯(GII)、菊花賞(GI)、有馬記念(GI)に続く7勝目。池添謙一騎手は05年スイープトウショウ、09年ドリームジャーニー以来3度目、池江泰寿調教師は09年ドリームジャーニー以来2度目の宝塚記念制覇。