主人の先生

お亡くなりになり〇〇年が経ちます。
昨夜、お酒を飲みながら、振り返って話してました。
先生のお陰で今の私達があり、息子達に繋がり、ナカイピアノ教室の生徒さん達のご指導させてもらえているね。(しみじみ)
先生は
ハンガリー国費留学第一期生でモスクワ音楽院に留学されたピアニスト。
日本人の奥様と結婚されて来日
大阪芸術大学 演奏ピアノ学科の教授となりご縁があり、主人が門下生となる。
私が最後に会ったのは、卒業後結婚して長男がお腹にいるとき。シンフォニーホールで開催されたリヒテルのピアノリサイタルでした。私のお腹を触って、「男やな!(笑)」って言ってくれましたね。大当たり。男の子でした。
主人が、大のホロヴィッツ好き。子供の頃にたまたまレコード屋さんにて買ったLPレコードがホロヴィッツのもので。
こんな演奏がしたい!こんな演奏が出来る先生に師事したい!
と10数年、ご縁があり門下生となりました。
初レッスンの時
ショパンのエチュードを凄いテンボで弾ききる!!!うなるような深い音を出す!という先生のテクニックに衝撃を受けたそうでした。
レッスンを受けていくうちに
意気投合
先生のお宅にずっと住み込みのように入り浸って(笑)息子のように、時には友人のように、過ごしてました。ハンガリー人なので毎晩お水のようにワインやビールを飲むので(笑)お酒も強くなったとか(笑)お酒を交わしながら「野島稔さんにあわしてくれ!いつもモスクワでは、一緒にいたから。会いたい!日本のどこにいいるか探せ!!!!」と言い出して困ったり、冗談混じりにおかしな話をしだしたり、、、
主人のピアノのテクニックもみるみるうちに上達していったので、え?え?と私は衝撃を受けたのを覚えています。宿題もものすごく多くて、ショパンエチュード数曲・英雄ポロネーズの左手のオクターブ奏法・リストのハンガリアンラブゾディ・メフィストワルツ・シューマントッカータなどなど超絶技巧のオンパレード。先生も横でバリバリ弾いてくれるそんな先生!!!!凄すぎる。
はじめは私も主人が
そんなの弾けるのん???無理やろ!と思っていたけれど、才能があったのか、なぜか、どんどん弾けていくのを聴いて見て。驚きました(笑)その当時は
ロシアンテクニック?何?凄すぎる!
だったから。。。。。
主人は、ピアノのテクニック以外に
★調律(向こうの人は、ピアニストは調律できるんや!と言って、お前もしろ!と。)
★スタインウェイを船便で輸入して、一緒にオーバーホール
★ちょっとした塗装
★先生のレッスン室の防音工事まで❢
あらゆることを教えていただきました。
お陰で 私は、先生の弟子となった主人に音楽の表現力・レガート奏法・デユナミクのつけ方・脱力をしっかり学べた事で今の私があり、日々のレッスンに繋がっていっているなぁ…としみじみ感じているのです。
そのときは気づかなくても、何十年と月日が経つと、その時の出会いの意味を感じる日が来ますね。
そして
先生の命日が、私の誕生日となったことに…不思議な
ご縁を感じています。
そして、主人は、営業マンという肩書でありながら、今まで数々のピアノの調律や整備をして今日に至っています。
昨年は、お母様の思い出のグランドピアノを修理してほしい!というピアノの先生からご依頼があり、ナカイピアノに1年お預かり、ついこの前お嫁に行きました〜。