「大分県警別府署が野党を支援する団体の敷地に無断で隠しカメラを設置した事件で、別府区検は、設置に関わった署員4人を、建造物侵入罪で別府簡裁に略式起訴した。大分地検は今回のカメラ設置について「(無関係な)多数の人を撮影し、やりすぎで不適正な捜査」とする一方で、「同種事案と比較して罰金刑が相当」と判断した。」
さて、選挙期間中、警察官が野党関連施設を監視するため無断で敷地に立ち入り、カメラを設置する行為は、果たして罰金刑が相当なのでしょうか。
ここでは、刑法の重要判例である最判平成21年7月13日が思い出されます。
この事案は、「警察署の敷地周囲の壁によじ登った行為」が建造物侵入罪に当たるか否かが最高裁まで争われたものです。
警察署の建物の壁ではなく、敷地境界線上にある壁によじ登った行為が建造物侵入罪に当たるか否かという論点です。
最判平成21年7月13日
最高裁は、建造物侵入罪の成立を認め、被告人側の上告を棄却し、原審である大阪高裁での懲役四年が確定しました。
この裁判では、建造物侵入以外にも、危険運転致傷罪、窃盗罪も問われたため、懲役四年となっています。
ここで、大阪高判平成20年4月11日をみてみましょう。
大阪高裁は、量刑の事情として、
と挙げています。
これを大分の事案で考えると
となるのではないでしょうか。
警察署の敷地周囲の壁によじ登ると懲役刑となり、警察が敷地に立ち入ると罰金刑が相当。
そんな国、日本^_^