①のつづき



救世主である麻酔担当の院長先生がやってきたのは夜中の3時前位だったろうか。



もはやこの辺りから携帯は一切触れず。

瀕死状態かつ張り詰めた空気的に携帯なんて触れる状況ではなく、家族には産むまで連絡待っとけ状態。



あれよあれよと無痛分娩の処置がなされ、右腕は点滴、左腕は5分毎に自動で測られる血圧計に縛られたままなので両手が動かせない状況になったが、今か今かと待たされてる家族はそんなん知らん訳で。。



無痛分娩の注射は全裸になって横に寝たまま背中の背骨辺りからするのだが、背中の何箇所かに注射を打たれたような感覚だった。



無痛分娩の注射や処置などに関しては予定がなくとも一応知識として何度か調べていた。



無痛の麻酔には副作用やデメリットなどもあるので何かあった場合は自己責任という事で誓約書にサインが必要でしたが、陣痛に悶えながらも痛みから解放されたい一心で書類にサインをしました。



背中から麻酔の通路を確保した後は、足をまっすぐにして仰向けになり普通に寝る事を指示される。


しかし陣痛に悶えていた私はそんな普通の体勢すら辛くて


『痛くて足が伸ばせませんー!』


と苦しみながら院長先生に訴えるも、


『伸ばしてください』


と不機嫌に冷たく言われ、唸りながら懸命に足を伸ばした。



足を伸ばしてまっすぐにならないと麻酔の効きにムラができるらしいが、陣痛が来てる時は足を伸ばすのが本当に辛かったです。

てか院長先生が怖かった。。



やがて院長先生は麻酔をしたら無言で消えてった。

夜中3時に呼び出されて機嫌が悪かったのだろうか。。



麻酔がどれ位で効くのか?と助産師さんに聞くと30分もしたら効いてくるとの事。



ただし、無痛分娩とは無痛な訳ではないという事をその後知る事となる。

麻酔の効きが悪い時もあるし、100%痛みがない訳ではない事も体感。



1時間位で麻酔が切れてくるような感覚で、痛みが強くなる事を恐れた私は約1時間毎にナースコールを押し、麻酔を注入してもらった。



麻酔を入れると背中の筋に薬品が通っていく感覚がひんやりと冷たく心地よかった。

ジャンキーが覚醒剤を打つ時ってこんな感じなのかなとか馬鹿な事を考えていたチーン



30分ほどで麻酔が効いてくれたおかげで、体が大分楽にはなった。

しかし体はもう疲弊してボロボロ。

体勢的にも全然楽じゃないし辛かった。



トイレに行くにも麻酔中は下半身がビリビリ状態で歩けない位麻痺していた為、寝たまま尿道に管を入れて排尿してもらった。



抵抗はあったが、全裸もさらしている後はもはや何も恥ずかしくなかった。

麻酔で痛みは皆無。

排尿の感覚も皆無。



夜中の3時位から朝10時位まではずっと麻酔。

陣痛はあるものの微弱なのか子宮口が5cmまでにしかならずかなり時間を要した。



このままでは噂の陣痛促進剤を使うしかないのでは、、と怯える私。

陣痛促進剤を使うと陣痛の痛みは加速するという噂を聞いていたので、使いたくなかったのだ。



麻酔しても痛みはある訳で、促進剤使ったら普通の痛みがやって来るのではないかと恐れた。



助産師さんが言うには、麻酔を使うと陣痛が遠のきやすく波が弱まるらしい。

もはや陣痛をつけるには陣痛促進剤を使うしかない事を悟る。



そしてこの時、助産師さんがモニターを見ながら


『赤ちゃんの心音で気になる部分があるから促進剤を強く入れる事が出来ない』


と言った。




え?

マジで?

大丈夫??

今の今まで何も聞いてなかったけど!




時間かかってるから不安やったし少しおかしいと思ったりもしていたけど、突然のカミングアウトに動揺。




『もしかしたらへその緒が首に絡まっているのかもしれないから、様子見ながら促進剤を入れるしかない』



と言われ不安が募るが、もう任せる以外私にできる事はなかった。

お産を早く終わらせなきゃという焦る気持ちと、赤ちゃんが大丈夫かという気持ちしかなかった。



(ちなみに本当はこの頃、緊急帝王切開になる予想が助産師さん達の間でされていた事を後から知る。。そんなに深刻やったんかい!と。)




つづく真顔