先日にて、第95回 白日会展 名古屋巡回展 終了いたしました。
ご高覧頂きまして、ありがとうございます。
【 黄泉より還る 伊弉諾大神 】 P100号
(よみよりかえるいざなぎのおおかみ)
今回は、始めて男性のヌードの大作を制作しました。
画題は、古事記より、黄泉の国より還られ、禊をされる直前のイザナギの大神。
火の神を産んだことにより、亡くなってしまった妻イザナミをイザナギの大神は、黄泉の国に迎えにいかれます。しかし、変わってしまった妻の姿に恐れを抱かれ、逃げてしまわれます。ヨモツヒラサカにて、別れを告げ合い、『筑紫日向の橘の小戸の阿波岐原』にて、禊をされます。
禊のため、身に付けておられた、杖、冠、上着、袴、帯、左の腕輪、右の腕輪、玉飾りのついた首飾りといったものを、どんどん脱いでいかれ、外していかれると、その脱がれたそれぞれのものが、それぞれ、神様になってゆきました。
この絵の中では、杖、冠、首飾り、左手の腕輪、右手の腕輪を描き入れましたが、これらから、9柱の神様たちが誕生されました。
今から川に入り、身を清めるその前に、今一度、最愛の妻イザナミを思われてるという創作の場面です。
夫婦喧嘩をされたように、解釈されることが多いですが、僕は、少し違った解釈をしています。
お二人が、最後の言葉を交わされる時、お互いに『美しき吾が汝妹(なにも)の命』、『美しき吾が汝背(なせ)の命』と『愛しい私のあなた』といったように呼び掛け合われています。
むしろ、初めて『死』を経験されたお二人が、今後の『死』ということについて、取り決めをされた、と僕は、解釈しています。
この後、御祓をされ、顔を洗われる中で、天照大御神、月読命、ハヤスサノオ命の三貴神が、お生まれになります。
首飾りは、禊の際も外されず、天照大御神へお譲りになりました。
初出品からしばらく古事記を題材にしていましたが、ここ数年は、離れていました。
今後も少しつづこうした神話の画題にも挑戦できたら、と思います。