続きです。

 こちらにも、いけにえの姫が2人登場します。いずれも実在の人物です。
 「応天の門」。
 平安時代初期の話です。



 まず、藤原高子(たかいこ)。
 この漫画では「たかこ」となっていますが、「たかいこ」です。



 10歳年下の清和天皇の后となった彼女の人生は、自分を政治の道具として扱う叔父と兄との戦いの日々でした。
 伊勢物語にも登場する高子(たかいこ)は、ただただ大人しく政治の駒になることのない、意志の強い人だったようです。






 もう一人。
「染殿の后」こと「藤原明子(あきらけいこ)」。
 藤原良房の一人娘。
 文徳天皇の后で、清和天皇の母となった人で、先ほどの藤原高子の従姉です。



 嵯峨天皇の孫でもあり、たいへんな美貌の持ち主だったと言われています。
 しかし、彼女も精神を病んでしまいます😢





 以下、Wikipediaから画像お借りしています。






 今昔物語に、染殿の后に関するこのような話があります。画像お借りしています。








 

 私はこの今昔物語の話が実話であるとするなら、
 明子(あきらけいこ)は二重人格だったのではないか❓と考えています。


 藤原本家の長女として
 嵯峨天皇の孫として
 文徳天皇の后として
 清和天皇の母として

 
 常に美しく、賢く、しとやかで、従順で、貴婦人の手本になるよう敬われなければならない。

 帝の后・母にふさわしい完璧な女性でなければならない。

 幼い頃からそう教育され、自分の考えなど言うこともできなかった明子(あきらけいこ)が意識下で抑え込んできた自我が爆発し、別人格が現れたのではないかと思っています。

 

 実在の人別で言えば、藤原不比等の三女である光明皇后、

 物語の人物で言えば「源氏物語」に出てくる弘徽殿の大后のように、

 父と志を同じくし、家の隆盛を目指す❗という考え方の持ち主であれば

 妃➡️后➡️皇太后 という人生コースに何の疑問も持たず、むしろ栄誉と捉え華々しい人生を歩めただろうけれど

 「お姫様も楽じゃない」

 という事です。