少し好きになる。 | りんごのゆくえ。

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*フランスでの日々や旅の感想、ゆるゆる更新*


なぜパリに来ようと思ったか。

そう聞かれるとすごく難しい。
7年前、ここに来た時はとてもシンプルだった。
わたしが4歳のときに、家族でパリに住んでいて
だけどあんまり記憶がなくて、
子どものころ、家族の思い出話についていけなくて
単純にパリを知りたいと思ったから。

りんごのゆくえ。

ただそれだけだったから、いろんな観光地に行った。
毎日遊んでいろんなものを見た。
言葉は全然分からなかった。今より全然分からなかったけど問題なかった。
毎日刺激的で楽しかった。
なぜならわたしは観光客だったからね。

観光客だったから、
わたしには何も見えてなかった。
フランス人のこと、文化のこと。
彼らが何を考えて、何を大事にして、どう生活してるのか。
フランス人の友達もできなかった。

すごーく表面的なことしか見えなくて
だからもっと知りたいと思ったのかな。
知れなかったことが、悔しかったんだよね。

そうやってやってきた7年後。

もう遊びに来たんじゃない。
だからって、何かをしに来たわけでもないんだ。
だからフランス語ができない自分にすごくへこんだ。


今日、こっちにきて初めて、来てよかったなと思うことがあった。

フランス人は家族を大切にするイメージがあるよね。
すごく家族を大切にするんだ。
70歳近いマダムは5人の子供がいるけど1人暮らし。
この1週間で4人の子供が会いに来た。
しかもみんながパリに住んでるわけじゃないのに。

今日はマダムは出かけてて、
息子さんと娘さんがお互いのパートナーを連れて庭で食事をしていた。
わたしも誘われたんだけど、フランス語で頑張るテンションがなくて
「すごくもったいないなー」と思いながら断った。
しばらくして中庭を見下ろしたら、みんなでワインあけてテーブルを囲んでた。
すっごく楽しそうで、あーいいなーって思った。
兄妹ですごく遅めの10時近くのディナー。

すごく遠くにいたんだけど、心地よい空気がこちらにまで伝わってきた。
それを見たときにね、真似したい文化だなあと心底思ったし
この光景が見れて、良かったなあ。と思った。幸せな気持ちになった。

わたしはこういう気持ちになるために、パリに来たんだな、と思った。