8/20(土)雨
富士山にはいくつかルートがありますが、今回は高山病のリスクの少ない吉田ルートを使い登ります。
新宿バスタからバスに乗って、富士山スバルライン五合目まで向かいました。
前日の天気予報では晴れだったので、台風のせいで雨になってのではないかと思います。
富士山には水もゴミ箱もありませんので、水を500ml×3本用意し、ゴミを持ち帰る用の袋を用意しました。
リュックは防水ではないので、レインカバーをかけます。レインカバーをかけても激しい雨だと滲みてくるので持ち物はビニール袋に入れます。私は入れていないものもあったため、少し滲みてしまい、翌日残念な思いもしました。
五合目では気圧になれるため1時間ほど待機。その間にレインウエアを着用し、気分を高めます。
出発。
The north face のゴアテックスのレインウエアを着ていましたが、非常にムシムシします。
六合目に着いてもいないのに、雨に打たれて気分がどんどん萎えていきました。
比較的なだらか、岩場は少々。歩くのは苦ではかったけど、雨足の重さが精神的にきつくて来た事を後悔。
風はほとんど感じられませんでした。
小一時間ほど歩いて六合目。
ここから森林限界を超えて景色が一変します。全体的に赤茶色が広がり、砂地を固めた階段がしばらく続きます。案外、階段を登るのは足にきます。できるだけ、階段脇の坂を利用して登ります。
この辺りからは登るのに一生懸命で萎えている場合じゃなくなっていました。
踊り場の都度、小休止。岩の上や砂地に座るか立ったまま呼吸を整えます。そして、点々と存在する山小屋を目指します。山小屋では椅子に腰かけて休憩ができます。ちなみにお買い物していないので外、です。
レインウエアの袖口からしずくが入り込み、袖回りが気持ち悪いことに気づく。慌てて袖口をしぼる(時遅しだったかも)。
とある山小屋の前を通過する時に不吉が私を襲う。
なぜ、大勢の人が通るであろうルート上なのに、年間何万人も通るであろうルート上なのに、ここは人ひとりしか通れないような狭さなの??
通路を抜けて、角を回った先に広がった光景は
もうねえ、
絶望。
岩場、岩場、がけ、・・・です。しかもかなり急で狭い。
くさりをつたっていかないと登れないところとか。なんじゃこりゃ、です。
仕方ないので登りましたよぉ。もぅ。七合目辺りまで岩場です。
大小様々な岩を積み上げた場所、ゴジラの背中みたいな場所。
最初の岩場は「へっぴり腰」で、しがみつきながら。
足を滑らせてこけた時は、痛いし、悲しいし。
だけど、少しづつはましになったかも。
若手が先に登って私が通りやすいコースを上から教えてくれたし、後ろからは時にリュック越しに押し上げてくれたし、みんなに助けられながら上がりました。
時には、さっさか一人で先頭きって登って行ってしまい、皆を感心させたり。
山小屋の手前になると、余計な親切の階段が現れます。これが、ホントにキツイのです。
足の上がる高さを考えて階段にしてほしいものです。
「七合目とやらはどこですか?隊長?」
「あそこ。山のてっぺん」
雨雲が厚く、うすぼんやり見える建物を指されて何度目かの絶望を味わう。
また岩場を「よいしょ」「こらしょ」と登っていきました。
(本当に声にして登りました。声出さないと力が出なくて)
山小屋に着いて小休止。汗もかいて暑くてたまらないのですが、落ち着いてくると冷えてくる。
冷えてくるとまずいので、冷え切る前に行動開始。(これもまずかったのかも)
これの繰り返しでした。
七合目間近、雲が切れて日が差してきました。
美しい!景色がキラキラと輝いているのです。だけど、写真をとる余裕はありませんでした。。。心の中に記録。
七合目を抜けると小石と砂地で、これまた別世界です。月面か火星か?という感じです。
岩場より楽だったけど、かれこれ5時間くらい山登りしているのでそれなりにきつい。しかも高度も上がっているので。真っ直ぐ歩くより、距離はかかるけどジグザグに歩く方が楽、とアドレスをもらい、ジグザグと歩く。
フルマラソンのトレーニング中のS君に
「高地トレーニングした方がいいよ」とか、
「あそこまでダッシュして勝ったら缶ビール」とか、この地で聞く会話とは思えないような会話が聞こえたと思ったら、ダッシュして登っていくバカ二人。
歓声があちこちから聞こえる。
「見て、見て、キレイだよ」
大きな虹が広がっていました。根元からくっきりとした虹と、うっすらとした虹が二本かかってる!!
ほら、見てみて
なんてお兄さんに声をかけられる。
八合目過ぎても今晩お世話になる山小屋が見えません。
「隊長~、山小屋はまだですか~?」
「鳥居の先だから、まだ先」
「えー、いいよ鳥居なんか・・・」
「富士山は信仰の山なのに何言っているの?
」
そんなこんなで山小屋到着。
全身が湿っています。身体がどんどん冷えてきます。人生最大の試練はまだ続く。