私が小さい頃、母は内職でミシンの仕事をしていました。半纏のようなものを縫っていたような気がします。
まだ幼く母にかまってほしい私は、いつも母のそばに纏わりついていました。母がミシンを使っているときは危ないから近くに来てはいけない。
と、きつく言われていましたが、私はまだ幼かったのでそれを忘れてつい近くに行ってしまいます。すると母が怒鳴り声をあげて「危ないっ!来るなって○▽×●!!」と鬼のような形相で罵声を浴びせるのです。
私はこれがものすごく怖かったです。母が大好きでおしゃべりしたくて、母に触れたくて近づくと、どなりつけられ、全拒否されるのです。これがたまになら良いのですが、毎日何回も繰り返されていると、子供の方も受け入れてもらえないことを理解し学びます。とうとう私はいつもびくびくして、母の顔色をうかがう子供になってしまいました。
今思えば、内職するほど家計が苦しかったわけではないと思うし、祖母が同居しているのだから子供を祖母に預ければよかったのでは?と思うし、幼い子供がいて危ない仕事なら、昼寝をしている間だけやるとか、もう少し大きくなってから始めるという選択があってもよかったのではないかと。
まだ小さかった子供が言いつけを忘れてしまうのは当たり前だと思うのですがどうでしょうか。
あんなにブチ切れて怒鳴り散らさなくてもよかったんじゃないかなぁ。
私は当時は、母が本当に大好きで、世界の中心だったので
( 母を怒らせる自分はものすごく悪い子なのだ )
とずっと思っていました。
幼い時ぐらい、母にたっぷり甘えさせてほしかった。昔から大人の顔色をうかがい、怒らせないように気を使っていたので、いまだに自信なんて全くないし、自分は生きていて良いのか?という疑問が頭から離れません。
私は存在していてよい人間なのでしょうか?ねえ、お母さん。
母が重くてたまらない―墓守娘の嘆き
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