空調機というと一般家庭ではエアコンという形で、小さくコンパクトにまとめた高機能のものがありますが、ビルとかの大型施設では冷凍機から、外調機、AHU、余剰排気ファンなどの大型の機械を
ダクトやパイプというったもので接続して、空調を行います。
勿論、最近の新しい中小ビルでは、空冷式のパッケージエアコンなどの導入が進んでおり、
冷凍機などがないビルも多くなってきましたが、
大規模なオフィスビルやショッピング複合施設などの大型施設などでは、大量の熱源が必要なので
まだまだ冷凍機が活躍しています。
勿論、DHCなどの地域冷暖房から冷水をもらってビルも増えていますが、全体のシェアで見れば
まだまだ発展途上です。
冷凍機には、ターボ式と吸収式の冷凍機が多く使われており、その2つを組み合わせて運用して
いるビルが多いと思います。
自分が働いているビルにも、DHC施設があり近くの5つ程の大型ビルや駅に冷水と蒸気を
供給していますが、
なぜか一緒に管理している道路を隔てた隣のビルには、蒸気のみしか送っておらず、
ビル独自で、大型ターボ式冷凍機と大型吸収式冷凍機2台があります。
もしかしたら、都心の基幹道路を隔てて、冷水の太い配管を敷設するのは面倒だったのかもしれませんね。
ちなみに
熱源の配管をみるとどちらか蒸気で冷水かという質問は、配管の太さを見れば簡単に分かります。
勿論どちらの配管にも保温材が巻かれていて手で触れば冷たいとか熱いとかが分かりますが、
配管の太さは、明らかに分かるくらい違います。
冷水の配管の方が、全然太いのですぐに分かります。
これは、ビル内のパイプシャフトの配管についても同じで、冷水が太く、蒸気の方が細いです。
で空調の話が戻りますが、
冷凍機の勉強する際、「冷媒の流れ」で勉強し、
ボイラーの勉強する時は、「水の流れ」で勉強するように、
空調機の勉強は、「空気の流れ」で勉強します。
空気の流れで考えると、外の空気で外気を、ビルの給気塔から取り入れ
外調機に取り込まれます。
外調機に取り込まれた外気は、冷水(夏季)の熱交換を経て、OAとしてAHUに送り込まれます。
AHUに送られたOAは、AHU内で、冷水(夏季)の熱交換を経て、SAとしてダクトとアネモを通じて、室内に送りこまれます。
外気→外調機(熱交換)→OA→AHU(熱交換)→SA(給気)→ダクト→アネモ→室内
SAの温度管理は、AHUからのダクトに温度センサーが付けられ、そこで給気温度を調整します。
室内に送られた空気は、室内の吸い込み口を通して回収し、RA(環気)として再度ダクトで
AHUの手前まで送られます。
RAのダクトには、CO2センサーや温度センサーがあり、室内のCO2濃度や温度の状態を見て
AHUに戻す空気量と外調機からAHUに送るOA量を、可変ダンパで調整し、AHUに送ります。
AHUに戻さなかったRAは余剰排気としてファンで、外に放出します。
余剰排気(AHUへ送れなかったRA)→→外に放出
↑
室内→吸い込み口→RA(環気)→ダクト→可変ダンパ→外気(OA)と環気(RA)が混ざってAHUへ
外気→外調機(熱交換)→OA→ダクト→→→↑↑
外調機は、何をするのいうと外気のほこりやごみを取り除き、夏なら空気を冷やします。
具体的には、30度以上の高温の外気を、20度以下まで一気に落とします。
外調機で冷やすことで、空気に含まれる湿気を取り除きます。
夏場は、この外調機で一気に冷やして湿気を取ることが、一番重要です。
なぜかというと、外調機で空気中の湿気を取らないと、ビル内のダクトやアネモ(給気口)で
大量の結露を起こし、天井内やアネモ回りで漏水事故を起こすからです。
正直猛暑期の結露などによ漏水事故は結構多く、また大きな事故になります。
結露の水滴が天井内を伝わって、照明機器の漏電や、吹きだし口から滴下した水滴が机上や
サーバーラックなどに落ちるなどの大きな事故になることがあります。
冷房期は外調機などで湿気対策をしっかりしないと、本当に面倒なことになりますので
ご注意下さい。