3.運命の分かれ目
前日のクリスマスローズステークスでネオフレグランスが4着。
その前日のレースを見に行けなかった代わりにキュンメルのデビュー戦には中山競馬場へ参戦。満を持してその時を迎える。
中山の坂のある直線。先頭に躍り出たサクセスラインをじりじり追い詰めるキュンメル。
並んだところがゴール。傍目にはきっちり差し切ったかに見えた。
(初めて出資した二頭が二頭とも新馬勝ちとかヤバイ・・・!)
とウキウキして確定を待った。
しかし、掲示板の一番上に挙がった数字はキュンメルでなく、サクセスラインのものであった。
(まぁ、そんな上手くいかないか、次はきっと勝ってくれるだろう)
と競馬場を後にした。
4.伸び悩む。
ところが、キュンメルはその後勝利に恵まれることがなかった。
見た目とは裏腹に体質が強くなかった模様で、なかなか数を使えない。
そして、陣営も適性を見極めきれない様子。
中山ダート1200、東京ダート1400、1600と使うが勝ちきれない。
短いほうがいいのか、長いほうがいいのか、他の要因なのか、素人目にもさっぱりであったし、プロの目でも、首を傾げるようなコメントが出るばかり。
ネット掲示板では芝を試したらどうかな声も上がる中、陣営はさらに距離を伸ばし、福島のダート1700mへ。
それでもジリっとした脚は変わらず、結果が出なかった。
陣営も出資者も焦る。
時間がない。
でも、とにかく数を使っていくより道はなかった。
そして、7月に入り、復帰したばかりの三浦騎手を背に、札幌ダート1700へ挑むことに。
ほぼラストチャンスに近いであろうこの舞台で結果を出すことができるだろうか。
つづく。