煉獄杏寿郎 ノブレスオブリージュ

 

 

 

 

煉獄杏寿郎は、母親から次のような言葉を授かっていた。

「弱き人を助けるためです。生まれついて人よりも多くの才に恵まれた者は、その力を世のため人のために使わねばなりません。」

ノブレスオブリージュのことだ。

 

そして煉獄杏寿郎は、ノブレスオブリージュ(母の言葉)を体現し、死んでしまった。

ノブレスオブリージュは、すばらしいものだと思うが、煉獄杏寿郎にはノブレスオブリージュしか無かった。

煉獄杏寿郎は、ノブレスオブリージュを体現したことに満足して、死んでいった。

 

鬼滅の刃の登場人物(鬼殺隊)は、みんな個人の欲ではないもののために死ぬほど努力するし、死ぬまで突き進んでいく。

反対に個人の欲は、鬼とされて討伐されていく。

こういうものが大ヒットしている。

 

氷河期世代の大人を観察すると「大人は個人の欲を失っている(欲を維持できなくなっている)」と思う。

氷河期世代の子供たちは、親から「個人の欲」を適切に学べていないのではないか?

欲がコントロールできなければ、長期的な学習や事業計画など、まったく成り立たない。

氷河期世代の大人は、いろいろ削られすぎてしまった・・・。

 

 

煉獄杏寿郎 ノブレスオブリージュ と検索をかけると、次のような記事がヒットする。

 

「特権無きノブレス・オブリージュを求める限り煉獄杏寿郎は生まれない」

「鬼滅の刃」に女性が熱狂する理由

 

 

 

煉獄杏寿郎の母親を見たときに私が思い出したのは、イレイナ(「魔女の旅々」)の母親だった。

イレイナは、母親から次のような言葉を授かっていた。

 

①危険な目に遭いそうな時は逃げること。

②自分が特別な人間とは思わないこと。(訳:あなたは責務を負っていない。逃げてよい。)

③いつか必ず帰ってきて、自分たち(両親)に元気な顔を見せること。

 

ちなみに私は、イレイナの母親の言葉を初見では解釈することが出来なかった。

煉獄杏寿郎を見て、やっとイレイナの母親の言葉の意味がわかった。

子供にはノブレスオブリージュに到達する前に、いろいろとやらなければいけないこと、経験しなければならないことがある。

まず、自分の欲を達成する。それからノブレスオブリージュの順番だと思う。

 

しかし、大人にはその余力(子供を育てる余力)がなくなっている。

いきなりノブレスオブリージュだけを背負わされて死んでしまった煉獄杏寿郎。

煉獄杏寿郎の大ヒットの背景には、大人の余力の無さが潜んでいると思う。