東大先端研の小泉悠准教授がCOURRiERという雑誌の取材に応じ、ウクライナ戦争停戦交渉の今後について答えた。その「プーチンはいまのトランプとは停戦に応じない」と題する記事が、ヤフーニュース上に転載されている。(補足1)https://news.yahoo.co.jp/articles/36dc0c0be0ccaef2ac4b4b892bb2baef59679bc6 

 

小泉氏の分析は、本ブログ筆者の解釈を交えて整理すると以下のようになる:

 

トランプ大統領の停戦方針が報道されてから3月上旬までは、トランプはロシアの思惑通りの停戦案で仲介を進めるとおもわれたが、3月11日のサウジアラビアでの米ウ高官会議を境にトランプ政権の方針が変化した。

318日のプーチン・トランプの電話会談もその延長上で行われ、トランプはプーチンが言うウクライナ戦争の根本的原因の除去に応じる訳にはいかなくなったのである。
 

ここで根本的原因の除去とは、米国ネオコン政権がロシア潰しの前線基地化したウクライナを、ロシアの脅威とならないように改質することである。別の表現では、ロシアの脅威とならないようにウクライナをマイダン革命以前の状態に戻すことである。(補足2)

 

トランプ政権が3月11日以降それに応じられなくなったので、ロシアとウクライナ両国は何か重大な変化があるまで、しばらくは戦場での解決を目指す以外にないだろう。(補足3)

 

トランプ大統領のウクライナ戦争の終結に向けた姿勢がサウジアラビアでの米ウ会談の後に変化したとの上記指摘だが、その変化については本ブログサイトでも313日と15日の記事で言及している。https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12889978781.html

 

このトランプ政権の姿勢変化は、グローバリストからの新しいタイプの圧力が、名ばかり共和党員(Republican in name only; RINO) と言われるマルコ・ルビオ国務長官を経由してトランプに働いた結果だろう。

 

ただ、グローバリストとの闘いはトランプが大統領に就任する動機でもあった筈であるので、そこからの圧力は予想していた筈。何か想定外の新しい圧力があった筈と推理すると、恐らくその中核が直接的且つ強力にトランプに圧力を掛け始めたのではないだろうか。彼らにとってもこの戦いは現在正念場となっているからである。

 

その中核とは、恐らくトランプも逆らえないイスラエルロビーの可能性が大きい。そのように考える理由を次のセクションであるJFKファイルの公開のところで考えてみる。トランプも、ケネディー暗殺以降の全ての大統領と同様に、イスラエルロビーには逆らうことがなかなか難しいのである。

 

 

2)JFKファイル公開は事態を変えることが出来るだろうか?

 

35代米国大統領だったJ. F. ケネディが暗殺された事件がオズワルドの単独犯行でないことはもはや常識である。CIAによって計画されたとみる人が多いが、今回のJFKファイルの公開後にはイスラエルのモサドによる犯行説が有力となってきた。 

 

その場合に考えられる動機は、ケネディがイスラエルの核武装に同意しなかったことと、ユダヤ系金融資本が支配するFRBなどの廃止も考えていたことである。(補足4)この件が以下の動画でかなり詳細に語られている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=nP0XVpho4vY  (<= 視聴にはここをクリックする)

 

大統領暗殺の可能性が、事件前にロシアから米国に注意喚起されたことも明らかにされ、このモサドとCIAによる犯行説を補強することになった。ロシアが諜報活動の中でケネディ暗殺の企みに関する情報を得ることは、米国内で完結する犯行では考えにくいからである。

 

そして、既に書いたように、JF. ケネディ暗殺後の歴代大統領の全てが不思議とイスラエルロビーの言うがままに動くことになったことも、この説を示唆する。

 

もし米国の金融エリート、そして米国に存在するイスラエルロビーが、モサド及びCIAを動かしてケネディの暗殺をさせたとする説が世界中に発信されたなら、彼らグローバリストとその企みが陰謀論としてではなくインパクトを伴って世界中の人々の頭に叩き込まれることになるだろう。

 

それが、ウクライナを軍事支援する欧州各国の世論と政権の姿勢を変化させ、当初のトランプが考えた通りの和平案が再浮上する可能性も出てくるだろう。ウクライナ戦争は、21世紀初頭から始まったグローバリストとその中核にあると考えられるシオニストたちによるロシア潰しの作戦と考えられるからである。(補足5)

 

グローバリストの世界帝国建設の計画に対して、先進諸国の国民の多くが現実的危機であるを感じることが、ウクライナ戦争や中東での戦争を第三次世界大戦へ発展させないために必要である。


 

補足:

 

1)元のクーリエ誌の記事は有料である。恐らく一定期間後にはヤフーのこの記事は削除されるだろう。https://courrier.jp/news/archives/395446/ 

 

2)マイダン革命とは、オバマ政権下の2014年、米国国務省の国務次官補だったビクトリア・ヌーランドらによって工作されたウクライナのクーデターである。ロシアと友好関係を維持することでNATO諸国とは一線を画していたヤヌコビッチ大統領をウクライナからロシアに追い出す為に、ウクライナのネオナチグループと言われるアゾフ連隊などによる暴動や反ヤヌコビッチの大規模デモを支援した。その資金が、米国国際開発局(United States Agency for International Development;USAID)を通して国際支援の名目で支出されていたことが最近のトランプ政権によって明らかにされた。

 

3)現在そのようなウクライナを実現するには、東部4州の自治或いは独立を明確にすることやクリミヤでのロシアの地位を確保することと、ウクライナの中立化、つまりロシアと欧米との緩衝地帯とすることの確約が必須だろう。

 

4)ケネディは、ユダヤ系私銀行であるFRBの発行する米ドルを廃止して、政府発行通貨を米国紙幣とすることを考え、政府紙幣の発行を始めた。暗殺された後、政府紙幣は全て回収された。

 

5)ただ、イスラエル国内もこの二派が存在しており、ネタニヤフ政権の中にその亀裂が入っているというのが、私の考えである。

 

===翌朝編集あり ===

 

 

§1 安全保障に資する研究

 

読売新聞に昨日掲載の「科学者を縛ってはならない」と題する社説について、感想を書く。そこには、“日本学術会議の検討委員会が、安全保障に関連する研究に対して、歯止めをかける(べきだとする)中間報告をまとめた”とある。(これ以降、カッコ内は筆者が補足;補足1)“その方策として、「軍事的」な可能性(武器等に転用される可能性)のある研究について、大学等が予め「技術的・倫理的に審査する制度」を設けるよう求めている。関係学会にも、研究審査の指針策定を要請する。”と書かれている。http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20170207-OYT1T50142.html (現在このページは削除されている)

 

日本学術会議は1967年に、“戦争を目的とする研究”は行わないと表明し、今回の中間報告もそれに沿ったものだと、この社説は解説している。(この“”で囲った部分は、武器や戦術等に関連する研究と解釈される。) 

 

この社説では、”現在開発を急ぐ技術の多くは軍事と民生の両面で使えるもの(デュアルコース研究)であり、軍事利用の恐れ(可能性の意味)があるという理由で研究領域を狭めては、日本の技術力低下は避けられない”として、日本学術会議の報告を批判している。この批判自体はもっともなことであるが、「恐れ」という言葉から、社説の主は軍事利用される研究で差し当たり民生用にならないものなら、学術会議の報告、そして、1967年の表明には賛成のようである。

 

そう思って読み進むと、最後の方に“日本の安全保障環境が厳しさを増す中、デュアルコース研究を強化することは、平和を確保する観点からも国益に適う”と書いている。平和を確保することに寄与するというのは、つまり軍事利用のための研究という意味だろうから、どうも社説を書いている人は、デュアルコースの両方を支持していると解釈できる。そうすると、上に引用した「軍事利用の恐れ・・・」の文と矛盾する。どうもはっきりしない。

 

§2 平和を愛し戦争を憎む政治姿勢が理想なのか?

 

日本語は、もともと論理展開に向かない言語である。しかも、日本国の基本姿勢が不明確なこともあって、特に防衛問題を論じるときに日本語が乱れる。上記社説でも、日本学術会議の委員会メンバーと読売新聞の社説を書いた方の双方に、日本語の乱れが見られる。

 

その原因は、安全保障という言葉を理解せずに用いていることにある。更に遡れば、戦争と平和という言葉の意味すら、十分理解していないと思う。つまり彼らを含めて多くの日本人は、戦争と平和は相反する概念であり、平和を愛し戦争を憎む姿勢をとることが理想であると考えているようだ。更に、人間という生物においても、そして、人間が作る国家においても、それが可能であると考えているらしい。 

 

戦争は二つの民族や国家の間での争いであり、平和とは戦争の無い状態をいう。元から右と左のような対概念ではない。自分の属する民族が他民族への隷属状態にあり不満に満ちていても、支配民族は平和だというだろう。極端な場合、被支配民族が殺されていなくなれば、そこには平和が訪れるだろう。国際社会も、その状態を平和というに違いない。従って、目指すのは平和ではなく、自分の国や民族の繁栄でなくてはならない。

 

歴史が教えるところによれば、二つの国の間に何かの争いがあれば、その解決は外交とその延長上の戦争によりなされてきた。(補足2)そして、自国民にとって大きな不満のない形での平和の達成は、戦争に勝つ軍事力でなされる。 

 

これは好戦的姿勢をとるべきだと言っているのではなく、生命体である人間が国家を作って有限の資源と面積の地球上に生きる以上、争い(そして戦争)はもともと避けられないという事を言っているのである。従って、国家の安全保障は戦争に勝てるように備えるということに厳密に等しいのである。 

 

日本学術会議の“戦争を目的とする研究”は行わないとの表明や、安全保障に関連する研究に対して歯止めをかけるという姿勢は、日本学術会議のメンバーが日本国や日本民族の滅亡を期待していることを意味している。もし、そうでないとすると、彼らには日本語と基礎的な歴史等の知識が欠けていることになる。 

 

このことに気づかない程度の知的レベルの人たちが、日本の研究者を代表する機関を構成するというのは、非常に情けないことである。それだけでなく、論理なき日本語と、日本民族の自分で考えてそれを発表することを蔑む文化がもう一つの原因だと思う。 

 

 (16:30編集)

 

補足: 

 

1)この部分は、言語表現として非常に理解しにくい文章である。安全保障に関連する研究なら、是非協力しなければならないのが普通の考えである。( )内は、中間報告だけでは何の歯止めにもならないので、筆者の意思を推測して補足したもの。

 

2)多分これは、クラウゼウィッツの戦争論に書かれていることだと記憶する。しかし、これはかなり文明の進んだ国の間での話であるということに注意すべきである。国家という概念が曖昧な地域では、現在の国際的ルールの下での戦争ではなく、民族間の争いは無制限の殺し合いで解決されていた。18世紀に起こったマオリ族によるモリオリ族の皆殺しと食人についてはすでに書いた。http://rcbyspinmanipulation.blogspot.jp/2014/10/blog-post_5.html

 

東アジアでは国際法など通用しないので、マオリ族的戦争になる可能性もあり、日本は防衛を考えるときにそのことも考えておく必要がある。

 

全く無関係なことだが追補する; 

 

以下の動画をたまたま見つけたので覚書の意味でここに引用して置く。マオリ族の格闘能力が非常に高く、日本人の相撲力士が彼らと相撲をとってあっさりと負けたのである。この動画を見て、相撲部屋がマオリ族から力士を無制限にリクルートすれば日本の相撲協会は最終的につぶれるような気がする。https://www.youtube.com/shorts/O3G9OnbR1ks

 

日本相撲協会(大相撲)は、外国人力士を限定的に入れ、相撲という興業をエキサイティングにしている。ただ、大相撲は日本神道の神に奉納するために存在するという建前を崩せば、公益法人としての資格を失う危険性があるので、外国人力士の入門については制限を設けているのだろう。

 

モンゴルからは多数入門させているものの、ポリネシアやミクロネシアからの入門は曙や武蔵丸以降はかなり厳しく制限しているのではないだろうか。それが国民に広く知れ渡れば、日本相撲協会の交易法人としての立場は弱くなる。きっと、この動画は拡散しないように努力しているだろう。(2025年3月20日;12:30編集)

 

 

 

 

今回のマルコ・ルビオ米国務長官がサウジアラビアに出向いて、ウクライナ側高官と協議し作り上げた "ウクライナ戦争停戦案”を、トランプ大統領は本気になってロシアのプーチン大統領に突きつけたようだ。それはトランプが隠れネオコンだったのなら分かるが、そうでなければ彼はそれほど緻密に考えるタイプではないということになる。(以下敬称略)

 

今朝、国際政治に関するYoutuberの及川幸久氏が、この停戦案に対するプーチンの声明の内容について報じている。https://www.youtube.com/watch?v=zB8w4X1N2JA

 

 

プーチンは、言葉を慎重に選びながらトランプに直接話し合って停戦交渉を練り直したいと持ちかけており、トランプの本当の意思を確認したいと考えていることが分かる。及川氏がプーチンの声明の要約を示しているので、その趣旨を以下に記す。

 

その中でプーチンは、トランプの紛争解決に向けた努力に感謝すると述べたあと、「この紛争を平和的手段で終結させるというアイデアには全面的に賛成であるが、我々はこの停戦が長期的な平和につながり、この危機の根本原因を排除すべきという前提に立っています」とロシア側の停戦に向けた姿勢を述べている。

 

ここで、今回目指す停戦交渉の背景について少しまとめてみる。今回の交渉と両当事国の姿勢を評価する為には、戦争中の両側に戦闘能力がかなり残されているという情況下での停戦交渉であり、降伏文書への署名とは全く異なる点を念頭に置かなければならない。

 

つまり、ロシア側が警戒しているのは、2014年と2015年の二度にわたって行われたミンスク合意が失敗に終わったことである。

 

ミンスク1では欧州安保協力機構が停戦監視にあたったが、数か月で合意が破られたこと、更に2015年のミンスク合意2は、ウクライナを支援する西側とウクライナの時間稼ぎに使われ(西側諸国も認めている)問題が深刻化したことなどから、プーチンは同じ轍を踏みたくないのである。https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-02-18/R7I2ZBDWX2PS01

 

今回のプーチンの声明は、停戦する前にこれらの可能性の除去が大事であるという意味のものであって、論理的であり、国際平和実現の視点で当然である。

 

ウォールストリートジャーナルは、ウクライナは停戦交渉につくがプーチンにはそのような気持がない(表題:Ukraine Turns Tables With Cease-Fire Proposal but Putin Has Little Incentive to Sign)と、プーチン批判を行っているので、このジャーナルはネオコン万歳の新聞であることを白状しているのである。

https://www.wsj.com/world/ukraine-turns-tables-with-cease-fire-proposal-but-putin-has-little-incentive-to-sign-353464a5

 

他のメジャーな新聞も、確かめてはいないが、どうせ同じトーンだろう。

 

ミンスク1では停戦合意が三ヶ月しか持たなかったのは、停戦の実現とその確認、更にその継続には相応の技術的問題をクリアできていなかったからである。そこでプーチンが確認したことは、

 

1.2000㎞の戦闘前線で停戦実施は相当困難であること、2.十分な停戦を監視するシステムが必要であることであり、これらの問題解決のためにトランプ大統領に協力すると言明した。

 

更に、同種の紛争が将来にわたって発生しないようにするには、この紛争の根本的な原因が除去される必要があり、それについてもトランプ大統領と議論したいと述べている。

 

そして根本原因としてプーチンがあげたのは以下4項目である:

1.NATOをウクライナに拡大しない;2.ウクライナの完全な「非武装化」と「非ナチ化」;

3.東部のロシア語圏がウクライナから独立;4.生物兵器開発への取り組み(を止める)

 

これらについて十分な取り組みがなされなかったことが、まさに今回のウクライナ戦争の原因である。原因を取り除かなければ、紛争は終わらない。原因を取り除くには、少なくとも一方の当事国の譲歩か、消滅(完全敗戦)が必要である。

 

それはロシアのウクライナ侵攻前と後で何回もブログ記事に書いた通りである。
 

これらのことを考えると、この戦争を短期間に終了するには、トランプ側に決断が必要である。その一つは、ネオコンであることが判明したマルコ・ルビオの国務長官解任だろう。

 

(以上速報的に書きました;18:30表題の部分的修正あり)