以下は、6年前のヤフーブログ時代に投稿した文章です。本ブログに移ったものの、ほとんど目に触れない深海の中に沈んでいるような状況だったので、日本の核武装論が高まっている今、引き上げて再投稿することにしました。1箇所だけ助詞の修正がありますが、それ以外は元のままです。

 

北朝鮮の核武装と日本の核武装論

20160409()

 

1)韓国は、北朝鮮が核攻撃をしてくるとは思っていない。北朝鮮から流れてきた水爆開発のニュースにも韓国国民は冷静だった。しかし、韓国大統領は中国に米国のミサイル防衛システムの配備を脅しに用いて、北朝鮮の核への対処を要求している。佐藤優氏の動画参照:https://www.youtube.com/watch?v=16YLCwFN0CE

 

この韓国民一般の”北朝鮮は韓国を核攻撃しないという認識”と大統領の中国への要求との認識のズレは、上記佐藤優氏の話によると、韓国における核装備の声の高まりにパク大統領がどう対処すべきか、中国へ探りを入れているとして説明されるようだ。つまり、韓国政府や議会の近辺で、北朝鮮の核の脅威を理由にして、韓国も核装備をしたいという声が大きくなっているのである。

 

本音はパク大統領も同じで出来れば核装備したいだろうが、それを実行するのに超えるべき高い外交的バリアーは容易に想像できるため、中国に「貴国も我が国が核装備を検討することを好ましく思わないでしょう」と探りを入れていると解釈される。核武装は、国家のトップに重大な決意と、核大国への工作がなければ不可能だということである。

 

核不拡散条約(NPT)の第10条には、国家存亡の危機が説明できれば、条約を脱退して核装備する権利を認めている。したがって、北朝鮮が”水爆”まで製造しているというのは、それを理由に核兵器保持を強引に進める韓国にとってのチャンスであると考えたのだろう。韓国の政治家と国民はまともな感覚を持っており、日本よりも上だと思う。

 

この動画で、佐藤氏の「韓国民は北朝鮮の核保持を民族の誇りだと思っている」という把握は重要である。北朝鮮が核兵器を持っているのだから、韓国は統一朝鮮が出来た時に核武装できるだろうと考えている人も多いだろう。いずれにしても、韓国は核武装するだろう。その時慌てても、日本には核武装のチャンスはないだろう。日本は目覚めるべきである。

 

韓国の棚ぼた的核保持の可能性の有無はともかく、この最後のチャンスと思われる機会を(既に遅すぎるかもしれないが)日本こそ真剣に考えるべきである。中国、ロシア、北朝鮮の核兵器に包囲され、それらの国の棍棒外交から国益をどのようにして守るかを深刻に考えるべき時である。しかし、平和ボケの日本人は牧場の腐りかけた柵さえ越えられない羊のような情けない姿になっている。

 

明治以来、日本はいち早く西洋と対峙できる国家を建設すべく、多くの血をながして改革を成し遂げた。不平士族もそれを撃つ政府軍の血も、国家の形を確立するための貴重な犠牲であった。太平洋戦争はその大きな成果の賞味期限が切れているのに、継続して体制改革を行わなかったのが原因だろう。(補足1)明治維新の頃からの歴史を視野に入れて、国民は国家の形をもう一度考えるべきだと思う。

 

2)木曜日のBSプライムニュースでは、石原慎太郎、堺屋太一、渡辺昇一の三氏がゲストであった。その堺屋太一氏の「一旦どこかが核兵器を使ったら世界核戦争になる」「そんなことはありえない。従って核武装など必要ではない」という発言や、 石原慎太郎氏の「日本のロケット技術は素晴らしい。核兵器を持とうと思えば瞬間的に持てる。」発言など、楽観的なのかピンボケなのかわからない。両人とも米国の核の傘など存在しないということを知りながら、なぜこんなバカバカしいことを言うのか。

 

ロケット技術と核兵器の技術は違う。完全に核分裂の連鎖を起こすには、TNTと核物質の配置など、爆弾の幾何学的形をシミュレーションで一応決めても、ロケットに乗る程度に小型化するには、実験が数回必要だと言われている。瞬間的に持てるなんて、ミスリーディングなことを言う人(国粋主義者には超楽観主義者が多い)は、無責任な評論家だと思う。米国からの技術供与がなければ短期間での核兵器開発などできないのだ。(補足2)

 

米国は、過去何度か日本に憲法改正と核武装を勧めたという。(片岡鉄哉、「核武装なき改憲は国を滅ぼす」、ビジネス社)米国は自軍の負担軽減を考えたのだが、日本にとっても一人前の国に戻るチャンスであった。それに乗らなかったのは、自民党官僚政治家特に佐藤栄作の無能なところだと思う。

 

米国からの改憲と核兵器保持の進言であるが、上記本では小泉内閣の時にもあったと書かれている。しかし、可能性があったと信じても良いと思うのは、ニクソンが大統領の時が最後だったと思う。

 

ニクソンは1953年に来日した際、日本に非武装を押し付けたのは失敗だったと言った。(上記本35頁、補足3)そのニクソンが大統領になった時、時の総理の佐藤栄作に憲法改正と核保持を進言したと書かれている。佐藤はそれを拒否したという。これは佐藤元総理の首席秘書官が出版した日記にも書かれているとのことである。(補足4)

 

この時、日米繊維交渉で日本側が譲歩をすれば、核武装と憲法改正は可能だったと思う。それ以降の米国からの核保持提案は、十分能力のある政治家が政権を担っていた訳ではないので、日本側の敷居が高いことを織り込み済みでの提案(義理的及び儀式的提案)ではないかと思う(補足5)。日本がまともな国になるのは、例えば北朝鮮からの一撃を三沢かどこかに食らわないと無理だろう。

 

補足:

 

1)どのような成果でもそれを味合う喜びは、賞味期限内で終わらせなければならない。明治憲法で天皇を権力の前面に出したのは、倒幕と明治維新を成し遂げる上で必要だった。しかし、軍部と内閣を分離した国家の形は、明治時代の中期以降に憲法改正をして改めるべきだったと思う。それができなかったのが、太平洋戦争の原因だったと思う。

日本人は、与えられた条件下での最適化問題を解く能力に優れるが、ゼロからの思考や無限の空間で自分の位置を定めるような問題に弱いのである。明治維新も所詮、強制された改革だったのだと思う。

 

2)ウィキペディアによると、2006年の政府の内部文書には「小型核を持つまでに3-5年かかる」と書かれているとある。https://ja.wikipedia.org/wiki/日本の核武装論

 

3)これは常識だろう。しかし、本などに書かれた詳しい記述が手元にない。ネットのブログにはたくさんあるので、一つだけアドレスを紹介したい。

http://d.hatena.ne.jp/ken3jyo/20130611/1370899687

 

4)片岡氏の本に引用された文献は、楠田實日記(中央公論社、2001年、776頁)である。楠田實は1967-1972の間佐藤栄作の首席秘書官だった。

 

5)小泉元総理や福田康夫官房長官では、強制されたのならともかく、核武装などできる筈がない。なお、1996年片岡氏がフーバー研究所に居た頃、CIA高官と日本が核武装すべきときがきたという結論を得、「日本の核武装」について討論する国際会議を開こうと、日本の首相経験者数人を招待するために来日したことがある。しかし、誰一人としてこの企画に賛同するものは居なかったという。(上記片岡氏の本の第2章参照)

また、2006年に北朝鮮が核実験を行った時、G.W.ブッシュ大統領の下で国務長官だったC.ライスは急ぎ来日して、安倍総理と会談した。この時にはテレビなどを見ていても、核保持を日本に許すような雰囲気は全くなかった。

元衆議院議員の松田学氏のチャンネルで、危機管理アドバイザーの丸谷元人氏が数日前までのウクライナの状況を含めて、今回の戦争の背景などについて語っています。この恐ろしい現状を知ってから、今回の戦争を考えてほしいものです。

 

 https://www.youtube.com/watch?v=31xYWAEZLaM

 

上記の話の中で出てくるオデッサの悲劇について、HaranoTimesさんが字幕入りの動画を作成し、配信されています。それもここで引用します。この動画は残忍な場面を含む為、年齢制限がかけられています。

 

 

ーーおわりーー

ウクライナでの戦争は長引いている。それに応じて、兵士や市民と街の被害が大きくなっている。こんなひどい戦争は即刻止めるべきだ。しかし、当事国二つの指導者にはなかなか止められない。自分の名誉と自分と家族の命は自分の地位と直結していることも、その大きな理由だろう。

 

主権国家体制の究極の弱点は、トップの指導者も一人の人間であることである。トップと言えども、一つの生命であり、自己と家族を国家の犠牲には簡単に出来ない。自分たちと国家など外の世界を比較して、どちらが大事かと言えば、平凡な生物の一個体なら自分である。従って、国家のトップは非凡でなくてはならない。(追補1)

 

ウクライナのゼレンスキーも、自分の名誉(補足1)と自分と家族の生命を考えれば、ウクライナに残って戦うしか道はないだろう。ただ、長く頑張ればそれだけ、ウクライナ市民の犠牲者が増加する。それにも拘らず、ヨーロッパ諸国はスイスまで含めて、ウクライナを軍事支援している。

 

その一方でNATOは、ゼレンスキーの要請を受け入れず、ウクライナ上空を飛行禁止区域に指定しなかった。これは、ウクライナ人民の犠牲者は増加しても良いから、ヨーロッパに戦火が及ばない形でウクライナに頑張ってもらい、なんとかロシアのプーチンを失脚させたいという考えがあってのことだろう。https://www.sankei.com/article/20220305-GXQIRWSDHNJVVEGNC7UF4PBLLM/

 

防衛省防衛研究所・防衛政策研究室長の高橋杉雄氏は、「私の考えはまさに、ゼレンスキー大統領が諦めるかプーチンが諦めるかどちらかだ」「諦める理由は、自分たちの社会がどれだけ大きな打撃を受けているか(についての正しい理解)だ」と話す。

 

更に、「ウクライナもロシアも、これから時間が経てば経つほど、弱くなる。ロシアが本当に弱くなるまでウクライナが耐え切れれば、そのときに、プーチン政権が倒れるかもしれない。そうなれば、戦争は終わる。そうでなければ、ウクライナのゼレンスキー政権が諦める、あるいはキエフが焦土になって諦めざるを得ない状態になる。そのどちらかしかない」(一部省略)

https://news.yahoo.co.jp/articles/639798048641a5b194cadbde0d7dea86e2d6ae91

 

つまり、米国や米国に同調するNATO諸国は、そのような最終的にどちらも崩壊する程度に弱体化しても良いから、ウクライナでどれだけの犠牲者が出ても構わないから、とにかくプーチンがいなくなり、ロシアが弱体化すれば良いという考えだろう。(補足2)その考えに従って、ヨーロッパ諸国はウクライナに支援しているのである。

 

プーチンもロシアからEU向けのガスパイプライン:ノルドストリーム1を閉鎖せずに、ドイツ等に天然ガスを送り続けている。それも、EUを巻き込んだ戦争を避けるためである。プーチンは、おそらくパラリンピック開会までに、ゼレンスキーがNATO非加盟や東部の独立を認める形で、戦争にキリがつくと考えていたのだろう。その見当違いが悲劇を大きくした原因の一つである。

 

しかし、現在ロシアが全世界を相手に戦う構図となっており(追補2)、上記ガスパイプライン閉鎖や核兵器による電磁パルス発生などのオプションまで考える可能性が出てきた。第三次世界大戦である。この悲劇の発生確率は低いと評論家の誰もが考えている。しかし、そもそもロシアのウクライナ侵略の可能性も低いというのが、実際に侵略が起こるまでの有識者の分析だったことを思い出すべきだ。

 

2)ウクライナはNATO加盟を諦めるべき

 

ここで前回と同じ主張を再度持ち出す。もし、ウクライナの悲劇を最小限にするという人道的見地に立つなら、ドイツやフランスは強引に即刻和平の仲介をすべきである。その際、プーチンが乗ってくるように、NATOの東方非拡大を両国が引き受ける形で確約すべきである。

 

ゼレンスキーにはウクライナの地政学的位置とウクライナとロシアの歴史を考えて、説得すべきだと思う。それが自然である。だいたい、ウクライナがNATOに加盟し、今後ロシアと対立することで安心できる市民がどこの国がいるか考えてほしい。兎に角、ウクライナと中国以外の全ての主権国家は、その力のバランスの構図に不満がない筈である。(補足3)

 

それは米国のグローバリストを裏切ることになるかもしれないが、今やそんなことを言っている段階ではない。

 

 

( https://www.youtube.com/watch?v=Skvf_csubT0;ここで話す渡辺惣樹氏は、米国のグローバリスト(フランクリン・ルーズベルト)を批判する米国フーバー元大統領の回顧録を翻訳された方である。最初の5分までにこのことに言及している)

 

また、ウクライナにはロシア系住民が多いので、ロシアと対立することは内戦の危険と同居することになる。それにも拘らず、何故ウクライナの前大統領ポロシェンコや現大統領ゼレンスキーはNATO加盟にこだわるのか。(補足4)

 

世界中の国々が、世界の覇権国である米国に逆らわない形で、グローバリスト勢力にとっての障害であるプーチンを取り除こうとしている。その尖兵がゼレンスキーだろう。プーチンのロシアは、グローバリスト勢力にとって最大の障害と考えられるのは、様々な国際会議でのプーチンの演説を考えてもわかる。

 

プーチンは家族関係や民族文化や主権国家体制に関して、伝統的な考え方を持っている。それはグローバリストが敵視するものである。(補足5)

 

グローバリストの米国民主党対トランプをはじめとする民族主義の対立の構図は、中間選挙や2022年の大統領選挙の図式である。それは、ウクライナ戦争にも当てはまる。と言うか、以前も書いたように、ウクライナ戦争の原因の一つだと思う。

 

中国は以前から書いているように、グローバリストたちの味方であったのだから、昨年まで世界中が中国を敵視するという構図は、彼らが考えている本来の構図とは全くことなる。この事態をひっくり返すことが、グローバリストたちにとっての今回のウクライナ戦争の二つ目の目的であると思う。

 

(本稿は、世界政治に関心を持つに至った素人が、自分の理解のためにネットで調査し、書いたものです。注意してお読みください。)

 

 

追補(12:20追加)

 

1)日本の政治の欠陥は、戦後ほとんどの期間凡人が政権トップだったことであると思う。何せ、政治家が代々の家業なのだから。

 

2)今年はじめ頃までは、人権無視の中国が全世界を相手に苦戦?していた。今回の戦争は、バイデン親中政権がウクライナを使ってプーチンを刺激し暴発させ、中国への世界の関心を逸らすことも目的の一つだろう。売電は、中国と対立しているようで、大事なときにケリー(オバマ時代の国務長官)を中国に派遣してきた。ケリーの娘婿とバイデンの息子は、ウクライナと中国で事業を展開して巨万の富を得た。トランプが就任したての2019年、ゼリンスキーに調査を依頼した件である。

 

補足:

 

1)ゼレンスキー大統領はアメリカ側から国外脱出を打診された時、「私が必要としているは弾薬だ。脱出の為の足ではない」とウクライナ脱出を拒否したという。これは前回ブログで紹介した。このワシントンポストの記事の深い意味は分からない。つまり、何故アメリカがそのような打診をするのか? ゼレンスキーは私が疑うように、米国支配層の要請に基づいてウクライナの大統領に立候補したのなら、理解可能である。

 

2)スイスが永世中立国の体面を捨てて、ロシアのプーチン大統領らの資産凍結など欧州連合(EU)と同じ内容の対ロシア制裁を科すと発表した。クラウス・シュワブの世界経済フォーラム(WEF)活動の拠点がスイスにあることを考えれば、このスイスの変質は自然と理解できる。

https://www.sankei.com/article/20220301-VMQ6CMFLJRLRFEP2IRUG4HZLZY/

 

3)ウクライナがロシアと仲良くなるのは、一帯一路の中国には本来面白い話ではない。ヨーロッパでの大事な親中国を失う可能性が高くなる。ロシアと中国は、シベリアに長い国境線を持つ潜在敵国同士である。極東での領土問題も中国の心の奥底に残っているだろう。

 

4)ウクライナ最高会議は20192月、EUと北大西洋条約機構(NATO)へのウクライナの加盟路線をウクライナ憲法に明記する憲法改正法案を可決した。https://globe.asahi.com/article/14291695 (本ブログの筆者は、ウクライナ憲法を直接読めないのでこの記事を信用します。)なお、この憲法改正案は、2014年の政変(米国が強く関わっている)で政権を得た勢力が提出したものである。

 

5)グローバリストたちは国境などなくなれば良いと思っている。それはメキシコから際限なく不法移民を流し込むバイデン政権の姿勢に一致する。彼らは親子関係も社会に従属すべきだと考えている。それはプーチンの考えと全く反する。以下の記事に引用した動画の多くがyoutubeで消去されていることがそれを証明している。

https://ameblo.jp/polymorph86/entry-12706599166.html