ヤフーニュースに、ひろゆき(西村博之氏)が5日X上で、参政党の神谷宗幣代表が自党の方針である反グローバリズムを説明しながら、政府にトランプ関税をもっと下げるように交渉すべきと要求するのは、論理的に矛盾しているという批判をしたと報じられている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/70d8e2c9d48c92cf98f80737de747d80fcecd74a
神谷氏の国会質問:https://www.youtube.com/watch?v=FChLDlE_4HA (前半)及びhttps://www.youtube.com/watch?v=q1IFYfFZpx8
上の参政党を応援する動画サイトにも、このヤフーニュースと同じひろゆきの指摘が紹介されている。それを再現すると:
神谷氏は「参政党として初の予算委員会での質問でした。参政党の反グローバリズムのスタンスを説明し、トランプ関税との向き合い方を問いました。15%を守るのではなく、0%に近づける交渉をして欲しいと要望しました」とつづり、党のYouTubeチャンネルで国会中継を公開した。
ひろゆき氏は「アメリカの関税が下がるとアメリカは輸入が増えるので、グローバリズム推進ですね。用語は正しく使いましょう」と指摘した。
これに続いてX上でのコメントが幾つか続き、最後に参政党を応援する幾つかの意見で終わっている。これらの詳細は、動画にてお確かめください。
ひろゆきのコメントは一理あるものの、経済のグローバル化と政治・文化のグローバル化の区別をしておらず、これから伸びようとする政党を単に批判するのみであり、日本国に対する愛情を全く感じない。そこで神谷代表の意を汲んでコメントを投稿した。このコメントの内容はブログで何度も指摘したことである。
ひろゆきが全く分かっていないのは、一般に反グローバリズムという場合は、政治のグローバリズムに対して反対することを言うということです。政治のグローバリズムとは、国境を廃止する方向、人の出入りを自由にする方向、各国の独自の文化・慣習を無くしてグローバル・スタンダードなものに統一する方向を指します。
グローバリズム全体は、先ず経済のグローバル化が進み、次に政治のグローバル化に進みます。トランプ関税は、米国の巨大赤字の解消と産業の空洞化を元に戻すことを目的にしているのでしょうが、不景気と米国の地位の低下で失敗します。経済のグローバル化をどこまで進めるかも各国の裁量のうちです。
2)簡単なグローバル化の説明
・グローバル化に対する私の考え方(上に用いている):
単にグローバル化と言う場合、それには二つの側面がある。経済のグローバル化と政治・文化のグローバル化である。そしてグローバル化は、先ず経済のグローバル化が進み、続いてその中で力を得たグループや民族が自分たちの慣習や文化をグローバルスタンダードとしてこの地球上を統一する方向で、政治・文化のグローバル化を進めようとするのである。
・グローバル化の恩恵とその進展のモデル:
現在の日本をはじめ世界の経済は、経済のグローバル化、つまり現在のWTO体制の中で発展してきた。各加盟国が、関税はなるべくゼロの方向へ、資本の移動をなるべく自由にするという方向に努力するのである。その体制下で頑張ってきたお陰で、日本は食料もエネルギーもほとんど輸入に頼っていながら、先進国の一員となるまて経済発展してきたのである。
ただ、この体制下で資本の力が増すに従って、資本による法人税と高額所得者の所得税を下げることや様々な抜け穴を創る政治干渉が増加してきた。その方法は、資本家が様々な汚い方法で政治家を取り込み、タックスヘイブンを作り出して維持することや、政治献金の自由度を実質的に拡大することなどである。その結果、政治は資本が握り国民に貧富の格差拡大と分断が進んだ。
このように大きくなった金融エリートたちには、民族的偏りや思想的偏りがあり、かれらの偏った文化や慣習へ世界を強制したいという欲求が生じたように思われる。その背景には、ローマクラブの「成長の限界」などにより誘発された危機感(人口の爆発的増大、資源枯渇及び環境破壊による)があるだろう。以上が政治のグローバル化が大きく進みだしたプロセスである。
・反グローバリズムとは
ここで参政党などが反対するのは、政治・文化のグローバリズムであり、それを企む一部エリート(経済のグローバル化で力を持った金融エリートとその支配下にある人物や組織)の政治支配の仕組みと企みである。その運動を反グローバリズムと呼び、多くの国で大きな勢力となりつつある。
(翌早朝編集して最終稿とする)