ロシアのワグネルは、エフゲニー・プリゴジン氏が率いる民間軍事会社であり、ウクライナ戦争で中心となって戦ってきた。そのプリゴジン氏とワグネルが24日、プーチン・ロシアに反旗をひるがえして、モスクワに向かった。これまで、何度もロシア正規軍から弾薬が届かないなどと不満を漏らしていた。
恐らく、自分たちの功績から期待される待遇と実際の待遇との間に大きな開きがあったのだろう。その不満は、主としてショイグ国防相やグラシモフ参謀総長への非難という形で表面化していた。しかし、心の底にはプーチン大統領への不満があった筈である。
その突然のクーデターがベラルーシのルカシェンコ大統領の仲介で早々と解決し、プリゴジンは兵を元に戻していると聞いて、二度びっくりした人も多いだろう。今朝26日の読売新聞朝刊では、昨日夜までの報道の通り、ワグネルはロシアの道から引き返したと書かれている。
しかし、危機の暗雲はいまだにモスクワの空を覆っていると考える専門家も多いようだ。そのあたりを解説するのが、MOTOYAMA氏の動画である。https://www.youtube.com/watch?v=2_0L0P-cono
確かに命を懸ける覚悟を決めたプリゴジンと25000名の兵士が、如何にルカシェンコ大統領の仲介があったとしても、そして、罪には問わないという約束が為されたとしても、それらを信じて兵を引くことは無いと考える方が自然だろう。
他の約束例えばショイグ国防相の解任や自分の昇任などと、それを裏付ける何かがなければ、犬猿の仲となっていた国防相やグラシモフ参謀総長をそのままにしてプリゴジンが兵を引くと考えるのは、やはり非常に甘いだろう。
いくらベラルーシに亡命したとしても、プーチンや上記軍幹部がそのままであれば、暗殺されると考えるのが、これまでのロシアを知る人なら普通の結論だろう。つまり、プリゴジンの示したプーチンへの恭順の意は、単なる時間稼ぎであった可能性が高い。
今回のウクライナ戦争の件で、カザフスタンなど中央アジア諸国にも、プーチン・ロシアを警戒する国が増加したようである。何故なら、ロシア人が多数居住しているのは、これらの国々も例外ではないからである。ロシア人が不満を口にして団結すれば、今日のウクライナは明日の中央アジアの国なのかもしれないからである。
何れにしても、ウクライナの勝利が濃くなってきたのかもしれない。プーチン・ロシアの危機というだけでなく、ロシアという国自体の危機である。
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