韓国の統一省報道官は31日の定例会見で、「教育担当の副首相、キム・ヨンジン氏が処刑されたほか、朝鮮労働党の金英哲(キム・ヨンチョル)統一戦線部長も(粛清され)革命化教育を受けている」と明らかにした。
 
高官の処刑が続いているが、その理由は明確ではないのかもしれない。このように粛清が続くのは、トップが体制の重臣にたいして疑心暗鬼になっているのだろう。国家の最高指導部の顔ぶれが一定の期間同じであると、謀反の危険性が高まるという風に考えているのかもしれない。

この情況は、恐怖政治とは若干異なる。恐怖政治は圧倒的にトップの権力が強く、時々その権力の絶大なるところを見せつけるために粛清が行われる。しかし現状は、トップの権力が圧倒的に強いのではなく、常に謀略の危険性が芽生える情況にあるのかもしれない。

仮にその様な情況を仮定すると、一定期間が過ぎるとまな板の消毒を行う様に、常に最高指導部のメンバーを入れ替える必要がある。トップがそのような考えに陥っているとすると、北朝鮮の体制は末期症状にあると言うことになる。
 
国家指導部の質が徐々にであっても、際限なく低下していくことになる。そして論理的な議論などなど抜きで、国家の操縦はトップ一人で行うことになり、暴走の危険性が非常に高くなる。
 
体制崩壊へ向けた謀略があるとすれば、このように仕向けることになるのだろう。日本や韓国にとって、非常に危険なことになってきたと思う。