三菱自動車の燃費データ捏造がニュースになっている。今朝の新聞によると、25年も前からデータのごまかしがあったそうである。東芝に続いて日本の大手企業による大規模な不正問題は、日本全体にとって大きな損害である。日本の行政は一体何をこれまでしてきたのだろうか? 抜き打ちでも良いから、独自にデータを取っていなかったのか? フォルクスワーゲンのケースでは行政は言い訳できる。非常に高度なインチキだからだ。しかし、三菱自動車のケースでは、行政は簡単にインチキデータを見破ることができたはずだ。
日本の財産は信用である。インチキのない製品、信頼性の高い部品、誠意ある対応、などである。中国の観光買物客は、同じ日本製品でも日本で買うことで製品に対する全ての心配が極小になると考えている。その信用を失うことは、日本の大きな損失である。
巷の意見では、「行政は、汗を流さない」である。その証明は何度もテレビで放送されている。ゴミ屋敷がそれである。あの程度の抵抗勢力(つまりゴネる家主一人)にさえ、手を焼く行政にできることなどあるのだろうか?と思ってしまう。ましてや、大企業の不正など、指摘するために汗を流せば、血も流すことになるかもしれない。その血はネットでの陰口には登っても、新聞やテレビでは事なかれ主義のスタッフにより消されるだろう。
しかし、仕事とは力の限り命を張って行うものである。この考え方は、自然の中で生きている生物だけでなく、人間でも同じであるはずだと思う。現代でも、その考え方を持つ人が世界中のメジャーな部分だろう。日本の国際的企業に勤める社員も同様であり、実際、日揮の社員らが数人アルジェリアでテロの犠牲になった。そんなこと、大多数の日本人には陽炎のようなものである。
現在、日本全体が平和ボケである。国民の大部分が関心を持つのは、健康であり、それがGDPのかなりの部分を占める。もちろん、派遣労働しかなくて夢を持てない若い人たちも多いだろう。しかし、ヒアルロン酸やコンドロイチン、水素水にマイナスイオン、それらに大金を出す人たちには、地平線の彼方にも若い悩む人たちの姿は見えない。
ましてや、中国軍の日本の大都市に照準を合したミサイル群や北朝鮮の核兵器さえ、脅威ではない。脅威はまな板の菌とか10年後の年金削減である。