大阪の市立中学校の校長(大阪市立茨田北中学 寺井壽男校長)が、全校集会で「女性に最も大切なのは子どもを2人以上産むこと」などと発言したことについて、馳浩文部科学大臣が「軽々に発言するべきでない」と批判した。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160315-00000017-mbsnewsv-soci
 
その校長は、少なくとも自分の発言の理由を「2人産まないとあなたの年金が8分の1になる。」と一例を挙げて述べている(補足1)。一方、文科大臣は「校長先生がどういう立場で発言したのかつまびらかではありませんが、職責として校長という立場にある者が軽々にそういう発言をするべきではない。」(馳浩文科相)と言ったのみであり、その発言のどこが悪いのか説明していない。
 
この様な発言は全く文部大臣(或いは国家の中枢に位置する人間に)にふさわしくない。大臣の発言をそのまま解釈すれば、何も分からずに、そして、確認もせずに、単に発言を封じているだけということになる。この発言には、日本の特徴、もっと言えば欠点、が良く現れている。
 
日本人は、言論の自由がこの国にあると思っているが、それは全くの間違いである。右と左を見て、自分の考えが突飛でないか考えて、多少とも変わった意見を出さないようにしなければならないのである。そうしないと今回のように、天からの雷の如く国家の中枢から大目玉を食らうのだから。
 
しかし本当に文科大臣は、その校長が全校集会で校長という立場で上記発言をしたことを知らなかったのだろうか? そうではあるまい。しっかりと校長の立場で発言したことを知っている筈である。しかし、校長がそのような発言をしたことのどこが悪いのか、論理明快に言う実力がないために敢えてあのようなコメントをしたのだろう。
 
つまり、あまり知的でない人が大臣をやっているということになる。しかも、大阪市教育委員会は、校長の処分を検討しているという。リンチ的人事を発表することになるのだろう。日本は、論理なき言葉の世界である。全くもって馬鹿げている。
 
補足:
1)人口減少は必然的にGDPの減少につながるという意味だと解釈できる。