(朝のまどろみの中で、重力のことを考えた。何も新しい点はないが、見えない星の周りを我々の住む太陽系が周回していること、そして、天文学的時間スケールで考えて、突然巨大な星の近くを通り、大災害が起こる可能性なども0でないことなどである。)
 
重力波の検出が一時話題になった。そして、“国家が大規模投資すべき研究対象ではないのでは”という意見をブログに書いた。ただし、素人としての興味はある。何故なら、重力ほど近くに感じる力はなく、且つ、非常に不思議な力だからである。
 
重力は地球による引力のことであり、ニュートンの万有引力の法則で表される。二つの物体の間に働く万有引力(F)は、距離(R)の二乗に反比例し、および物体其々の質量(M1 M2とする)の積に比例する。つまり、 F=GM1M2/R2
距離の二乗に比例するということは、万有引力は距離にたいして緩やかに変化する力であると言える。(補足1)
 
物体の質量が体積にほぼ比例すると仮定すると、球でも立方体でも寸法 r(半径とか一辺の長さ)の3乗に比例する。一方、月が地球から見た天空に占める大きさは、その立体角(Ω)であるから、それは月の半径と月までの距離の比の2乗に反比例する。つまりΩ=r/R 
 
従って、遠くに見える小さな点のような星でも、それが地球を引っ張る力は、太陽からの力よりも遥かに大きい可能性がある(補足3)。ただしその場合は、点にしか見えない大きな星の周りをゆっくり太陽と供に回ることになる。


地球から見える月と太陽の大きさは、その立体角で比較することになり、それらはほぼ等しい。しかし、地球は太陽の周りを周り、月は地球の周りを周るのである。
 
一般には、楕円軌道の場合などもあるから、現在その兆候が無くても、将来巨大な質量の星の近くを周るときが来る可能性がある。その場合は、地上の生物は絶滅する可能性が高くなるだろう。
 
補足:
1)電気的なクーロン力はプラスとマイナスの電荷間の引力であり、それも距離のマイナス2乗に比例(つまり、距離の二乗に反比例)する。電気的に中性である二つの分子間にもファンデルワールス力という電気的な力が存在する。それは距離のマイナス6乗に比例する引力とマイナス12乗に比例する斥力の二つの成分からなる。ヘリウムなどの希ガスの液化はファンデルワールス力の存在により可能となる。
2)月までの距離Rで天空に架空の天井をつくると、その表面積は4πRである。月の半径をrとすると、月のその天井での断面積はπrである。月の占める立体角Ωは、Ω=πr/4πRr/R