時事放談
今日の時事放談のゲストは、仙谷由人氏と片山善博氏であった。
北朝鮮問題
仙谷氏、「経済状況が非常に悪い中で、ミサイル開発に多額の金をかける金正恩を批判する」、そして、「北朝鮮の国民がかわいそう」という発言に全く同感である。更に、「米国の制裁強化という方針だけでは、泥沼から出られない」という意見にも、全く同感である。更に、「全てを盛り込んだone packageとして解決するしかない」との発言も同感だが、司会者の御厨氏がその詳細を聞かなかったことには不満である。
私のone packageは、「朝鮮戦争の終結、核兵器廃棄と核開発取りやめ、北朝鮮の現体制保障、日米韓の北朝鮮承認、日本の北朝鮮との基本条約締結と賠償の代わりに経済協力金支払い」である。そのためには日韓基本条約の改定が必要である。
片山氏の、「このような北朝鮮の状況は南沙諸島などでの(中国の違法な進出に対する)海外の批判を反らすことができて、中国にとって都合が良いのではないか」という考えもよく聞く。そして、「この問題は中国が中心になって解決すべき」という意見もよく聞く。
片山氏の後半の意見には反対である。問題を解決できるのは、米国である。また、前半の意見も偏っていると思う。中国にとって、北朝鮮は米軍との緩衝地帯として大切であるという考え方の方が事実に近いと思う。
宮崎・甘利問題
宮崎氏の件:こんな人しかいなかったのか?という意見で一致。
甘利氏の問題:片山氏、「事件屋とか示談屋の手口であり、政治家は気をつけるべきである。」仙谷氏の「民間からのクレイムの7割は難癖を付けて利益を得ようとするような類である。30%が考察に価するクレイムで、その1/3が役人側の間違いである」と。また、「事件屋や示談屋を利用しないで、もっと裁判所に解決してもらうのが良い」という意見に賛成。
甘利氏の事務所が保障金額にまで口を挟んでいたことが明らかになったという。古い政治がこの人にまで及んでいることにびっくりし、二世議員ばかりの政界ではこの種のことは表に出なくても、未だ日常のことなのだろう。
日銀のマイナス金利など
片山氏、「金融政策では本質的な解決はできない。日銀は、過剰に自分の役割意識を持つべきではない。金融政策決定会合の議事録の中身を出すべき」。
仙谷氏、「マイナス金利は銀行の経営を悪くする。ヨーロッパではあのドイツ銀行がおかしくなっている。マイナス金利は経済成長しないという宣言のようなもの。資本主義の破壊へ向かうような政策である」と、それぞれその通りだと思う。
どちらの発言だったかメモにないのでわからないが:「リーマンショックからの立ち直りには中国経済の発展が寄与した。しかし、今回発展途上国への期待はできないので、先進国が知恵をだすべきである」。 G7の役割であるが、英米の金融資本が何を考えているのか気になる。