今朝の時事放談はゲストとして定連の増田さんと浜さんであった。話題は盛りだくさんだが、時間が短いので、内容の深さはほとんどなかった。6時から始まる番組だが、宣伝で6時5分になり、その後地方の名物などの紹介で3分、実際に始まるのがいつもの様に6時8分である。
最初の話題が自民党勉強会での報道機関への圧力に関するものだった。
若者議員と作家の百田尚樹さんの発言が問題となっているが、話の内容は酒場での話のようなもので、「場所柄もわきまえず」という程度の批判で済むが、若手にもろくな政治家が居ないことの方が私にはショックである。
浜さん指摘のように、酒場と自民党本部という仕事の場との区別が出来なかったのだろう。そのような軽さは、おそらく、幼少期から下らないテレビ番組を見て来たことが原因だろうが、一言で言えば知性に欠けるということになる。例えば、最近は「そこまで言って委員会」などの発言を見ると解るが、言葉が非常に軽くなった。しかし、知性があれば、仕事場でプロとして議論するのなら、そのようなことにならない筈だ。
二番目のテーマ「安保法制」は6時15分から始まった。地方議会の大半が、安保法案に反対だということ。世論調査では、説明不足という回答が80%にのぼる。憲法違反という意見も50%以上という結果が紹介された。また、各種集会で反対意見が多いことも新聞報道を引用して紹介。ノーベル物理学賞受賞者の反対も紹介されたが、こんな下らない新聞報道など無視すべきなのだが。
浜さんは経済が専門であり、政治は素人でその意見はスルーしてよいレベルのもの。増田さんの意見は、十分な国会での議論が必要だというもの。最近になって漸く野党から対案が出てきたが、それを含めてもう一度原点に戻って問題整理からスタートした方が良いというもの。
この件、本当に議論すべきは、新安保法制の必要性であるが、政府と野党議員の間に、日本の安全保障に関する理解と危機感に大差があるように思う。政府が持つ危機感は、主に南及び東シナ海などでの中国の大国主義的振る舞いが原因だろう。また、その延長上で武力により尖閣諸島占領の可能性があり得るとの考えが、政府が新安保法制を急ぐ原因だろう。
ただ、外交上そのような具体的な問題に焦点があてられないことが、この問題の国会での議論を困難にしている。その点をむしろ利用して政府のゴリ押しとの印象を与えるのが、政権奪回だけに興味のある野党の姿勢であった。時事放談では殆ど時間の関係か、議論できなかった。
6時23分からは、新国立競技場の建設費に関する問題。増田氏が指摘したように、建設主体が明確ではなかったことが原因だろう。
このトラブルは、おそらくオリンピック誘致を目標にして設計と見積もりが開始された事が主な原因だろう。本来設計と見積は、建設する主体が限られた予算内という制約で行なうもの。
ワールドカップのことなど無視して、建設主体が、設計を一から機能重視で行なうべきだろう。オリンピック委員会と連絡をとりながら、巨大アーチを含む現在の設計を捨てれば、間に合うのではないか。
6時32分から、株式の乱高下についての話に映った。上海株の急落のショックで、木曜日に600円以上の下落など日経平均の乱高下が紹介された。また、日本でも経営者側に高額報酬が出始めたこと:ソフトバンクのニケシュアローラ氏の165億円、オリックス宮内会長 の54億円など、が紹介された。
浜さんの意見は、上海株価は人工相場であり落ちるのは当然というもの。増田さんの、上海マーケットは日本株に影響するが、ギリシャのユーロ圏離脱云々は大して影響がないのではないかという意見が紹介されていた。短時間で、高額報酬の件は議論されなかった。
6時36分からは川内原発の再稼働に話は移る。浜さんは原発反対なのだが、「国民の声は反対が多いのに何故やるのか」というもの。国民の声に耳課さない現政権の姿勢がそのまま現れていると指摘。
増田さんの意見、原子力安全委員会は唯一の権威ある安全性のチェック機関であり、そのゴーサインは意味があるもの。安全対策に終わりはないので、しっかりやって欲しいというもの。
最後のコーナー:これだけは言っておきたいこと
浜:安保法案は廃案が当然。野党は廃案に向かって全力をあげよ。
増田:集団的自衛権行為のグレイゾーンについての対案が、野党から随分と遅くだが出て来た。きちんと対案も含めて議論すべき。
まあ、実質30分以下の放送時間の間に、これだけ話題を押し込んだのは記録的珍事であった。来週からはゆっくり寝ようかなと思った。