維新の党から比例区で当選した上西小百合衆議院議員のスキャンダラスな行動が話題になっている。胃腸炎かなにかの診断書を書いてもらって(注1)、予算案の議決が行なわれる国会を欠席し、秘書と何処かで何かを楽しんでいたという疑惑である。そこで、上西氏とはどんな人かと調べてみた。ウィキペディアによると、上西氏は、神戸女学院を卒業後保険会社勤務等を経て、2012年3月に維新政治塾に参加し、同年12月の選挙において比例区で当選した。その紹介記事には、上西氏の大学での専攻も専門家としての実績に関する記述も何も無い。Wikipediaがさぼった訳でなく、取り立てて書くべきことが無いだけだろう。

9ヶ月の政治塾での勉強を経て、衆議院議員になったというから、大学受験レベルの勉強で国会議員になったことになる。その投資とリターンの比率は、ソフトバンクの中国ネット企業大手のアリババへの投資並だ(注2)。孫正義氏には敬服するが、上西氏に対しては腹立たしい思いしかない。日本の有権者をここまでバカにした話は無い。党の親分の橋下氏が怒るのは当たり前で、議員辞職も当然だろう。

兎に角維新も何処も彼処も、人材不足である。

注釈:
1)医者は患者の訴えを100%信じて、診断を行なう。腹が痛いと言っている患者に対して、「嘘じゃないの?」とは言えない。
2)アリババが創業間もない頃、孫正義氏に出資を要請した創業者に対して、要請以上の額を融資した。その後、アリババが米国で株式上場した時、その持ち株数と株価を掛け算した額(含み益+出資額)は、ソフトバンク社の株価総額と同程度になった。

補足:二年半も前になるが、大阪維新の会から成長を始めるこの党に期待して文章を書いたことがある。そこで述べたのは、当時維新の会の幹部であった人たちでは、今後成長した会の屋台骨を支えるには力不足だろうから、より高いレベルの人材を吸収する形での新陳代謝を期待した内容である。

重複するが全文を(誤り修正後;尚文章として多くの不備があるが)掲載する。

(引用はじめ)
大阪維新の会は国政へ乗り出し、日本維新の会を結成した。日本維新の会の今後は、如何に優秀なる人材を集め、要職に据えることで成長出来るか、それとも大阪維新の会の幹部がそのまま日本維新の会の幹部になり、成長のスパイラルのチャンスを潰すかにかかっている。 

橋下大阪市長の代表はしばらく続くとしても、それ以下の大阪維新の会の幹部は、自分の本来の実力と日本維新の会の今後を考えて、謙虚に組織内での自分の役割を考えて欲しい。大阪の改革&地方自立とを目指す視点と、中央政府改革の視点は大きく異なる。後者においては、国家の役割と世界史的にみたその変遷、世界の中の日本、東アジアでの日本の地位の確保とその視点から見た現在日本の体制不備、特に、米中ソと日本との現在の関係の”深い”理解と今後のあるべき関係、などに持論を展開できる基礎力及び政治的創造力が必要である。 

世界経済の今後、途上国の経済発展とエネルギー及び食料危機、科学技術の発展と人間社会との関係、などの専門的知識を持ったものから力を得る為に、それら専門家を発掘し彼らから知識を吸収できる能力など、およそ現在の大阪維新の会幹部の力でもってしては太刀打ちできないものが多い。 

日本維新の会には、改革の遺伝子がある。従来の政党には、家業としての政治業を如何に保持するかという遺伝子しかない者が殆どである。久々にあらわれた貴重な改革の種である。その遺伝子が立派な日本の政党として発現し成長するには、様々な多くの人材の消化(人材選別及び教育)吸収(登用)排泄(退出)が、必要である。

現在の幹部達は、日本維新の会の中央から離れても、大阪維新の会幹部としての仕事に徹すれば良い。人間には人生の一場面において、大きな仕事をする時期がある。また、仮に下野して維新の会を支援する立場になったとしても、一時期にはその屋台骨を支えたという誇りは誰しも認めるものである。

今後の維新の会には、多くの名前や表から見た場合には、相容れないような団体が合流するだろう。また、そうでなければ現在の維新の会からの成長はない。それらの一見相容れない団体が、維新の会が成長した数年後に重要なポジションを持つかもしれない。それくらいの度量をもった人材がそろそろ幹部になるべき時期にきている。頑張って欲しい。(引用おわり)