「安倍さんの経済政策で株価があがり、雰囲気もガラッと変わった。こんなことは他の人にできますか?」という質問に答えたものです。(1月12日の投稿を編集して再録)日本の現状をより良くするためにという場合、当然短期的な効果を狙ったものと長期的な効果を狙ったものがあります。前者にはカンフル剤的な経済波及効果の優れたと考えられる公共事業も良いと思います。安倍さんが総裁になってから、大胆な経済政策をエール大学の浜田名誉教授の示唆に従って行うということで、期待感が高まったことはその通りだと思います。このカンフル剤を打つということを含め、短期的には株価の上昇や円安傾向は誰でも予想済みのことです。ただ、実質的に日本経済を強くする為には、多くの大企業の国際的競争力をつけること、その為の企業経営の効率化、革新的技術や新しいビジネスモデルの開拓、そして国際的ブランド力の構築などが必須です。更に、国内需要の喚起も大切ですが、これには安心な年金政策などが欠かせません。この後者の部分が長期的施策になります。企業競争力を高める方法には、法人税減税(国際的レベルまで下げる)や正常な円の為替相場の実現があります。ただ、正常な為替相場は金の自由な流れ、金融の自由化があって初めて実現可能です。しかし、現在の日本では国家財政の改善がセットにならないと、国債の暴落につながると思います。従って、小さな政府、二重行政の廃止、独法の原則全面廃止(所謂公務員改革など)などが欠かせません。安倍さんは、この後者の部分で殆ど新しいことを具体的な形では言っていません。更に、このような国家の現状は全て自民党政権下の放漫財政でおこったことであり、その点の禊は何も行われていません。相変わらず霞ヶ関依存的、土建屋へのバラマキに熱心な体質のままです。
短期的な株価の上昇などに惑わされてはダメです。何れ、ヘッジファンドの空売りなどの餌食になるだけです。
補足で、反論を期待します。(質問者からの補足がなされたのですが、それへの回答です)
補足への補足:民主党政権は無能であることは、ほぼお考えの通りだと思います。ただ、白川総裁を無能呼ばわりすることは間違っていると思います。白川さんがこれ以上の金融緩和をやりたくなかったのは、一時的かもしれませんがインフレ率の制御を失う危険、そして金利の(一時的にしても)突然の大きな上昇を招き、国債の暴落が起こるかもしれないことを恐れたのだと思います。日銀の当座預金口座(銀行のもつ)にはお金がつまれています。銀行が金を貸し出そうと思えば、幾らでもできます。つまり、金はジャブジャブの状態で刷られているのです。(銀行は、企業に貸し出すことで不良債権化することをまるでお化けに対する如く怖がり、国債の利鞘で金を稼いでいるという異常な事態なのです。)ただ、国家の舵取りの責任者は、内閣総理大臣ですから、総理がばくちを打つというのなら、日銀だってばくちを打つことは可能です。そんなこと位白川さんだって簡単にやるでしょう。責任は総理大臣なのですから。ただ、そのばくちが失敗の場合、国家の債務はゼロになりますが、同時に国民の預金は全て紙くずになります。