以前ある声楽教師がこう言った。
「私はフィギュアスケートが好きで某選手の大ファンです」
その理由は「彼女のあの表情!!あの表現力が魅力です!!」と言うことだった。
フィギュアスケートに関して私は全くの素人なのだが、アスリートとしての能力は彼女のライバルとされてきた選手の方が上であると思う。基本的な技術は勿論、「表現」に関してもである。ライバルたるその選手は彼女とは違い、非常に柔軟な体の持ち主で、体の末端まで細やかな神経が行き届いているかのような演技を披露してくれる。「表現」と言うものは、彼女のように体全体で表すものではなかろうか(それもまた技術なのだと思う)。
声楽教師は続けた。
「私が好きな歌手は非常に表情豊かです やはりあの表現力が魅力です」と(音声のみならどう感じるのだろうか)。
その後、テレビであるバレエの振付師が「表現とは体全体指先にまで至るものである」と言っていた。そして「首から上は添え物である」と。
私はその歌手の演奏を聴いたわけではないので何とも言えないのだが、どうも嫌な予感がする。
フィギュアスケートや声楽は「顔芸」か?