この春から、土曜の朝はがんばって早起きしていました。

NHK教育で放送している
「風の少女エミリー」 を見るためです。

原作は「赤毛のアン」の作者として有名なモンゴメリ。
彼女が創作したもうひとりのヒロイン、エミリーの少女時代からの成長を描いた全三巻のシリーズが元になっています。
原作本は、現在新潮文庫版と偕成社文庫版が入手可能な模様です。
モンゴメリ, 村岡 花子, Lucy Maud Montgomery
可愛いエミリー (新潮文庫)
モンゴメリ, 村岡 花子, Lucy Maud Montgomery
エミリーはのぼる (新潮文庫)
モンゴメリ, 村岡 花子, Lucy Maud Montgomery

エミリーの求めるもの
モンゴメリ, Lucy Maud Montgomery, 神鳥 統夫
エミリー〈上〉 (偕成社文庫)
モンゴメリ, Lucy Maud Montgomery, 神鳥 統夫
エミリー〈中〉 (偕成社文庫)
モンゴメリ, Lucy Maud Montgomery, 神鳥 統夫
エミリー〈下〉 (偕成社文庫)
※偕成社版「エミリー」の訳を手がけられた神鳥 統夫さんが、去る9月5日にお亡くなりになったとの事です。ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます。


アニメ版は、脚本/シリーズ構成 島田 満、音楽 宮川 彬良 のお二方の名前で視聴決定!
脚本の島田さんは「ロミオの青い空」などの作品でしっかりしたストーリー構成と細やかな心理描写に定評のある方ですし、音楽はETVウォッチャーならおなじみ「クインテット」のアキラさんですし(それだけかい?!)
どちらの方も普段から良い仕事してらっしゃいますから。

内容の方も、しっかりした「日本の名作ものアニメ」の王道を行く素晴らしい出来。ストーリーは原作を非常に上手く再構成していますし、オーケストラをバックに堀江美津子さんが歌い上げる主題歌は必聴もの。EPOさんのエンディングも良い感じに聴かせてくれます。

NHK製作のアニメは、こういった名作路線と人気コミック・ライトノベル原作のような少し大きいお友達向け作品とで、きっちり作りを分けてくれる所がいいですね。作品世界の把握や読者層のリサーチが本当にしっかり行われていると思います。
お金はこういう正当な用途に だ け 使うように>NHK



自然と対話し、インスピレーションを受けながらそれを書く事が大好きな少女エミリーは、病気療養中の父親とのふたり暮らし。しかし、やがてその父親も亡くなり母の生家マレー家に引き取られることに。
そこで出会う、開拓者の誇りを胸に生きるマレー家の人々。夢を語りあえる同年代の仲間たち―
そんな人々とのかかわりと通じてエミリーが成長してゆく様を、実に丁寧かつしっかりと描いていて非常に見ごたえがありました。

海外に子供向けドラマコンテンツとして展開していっても充分通用しそうです。
残る放送があと2話しかないのが、本当に残念なくらいで。

原作本も新潮文庫版を入手して読んでいますが、こちらもとっても面白いです。モンゴメリの自伝的作品といわれるだけあって、エミリーの人物像がリアリティにあふれています。
アン・シャーリーは「物語の中の女の子」というイメージが強かったのですが、エミリー・バード・スターは血肉を持った現実の女の子という感じかな。

実は今ちょうどアニメと同じくらいのところを読んでます。この後、エミリーはどのような人生の選択をするのか、まさにどきどきわくわくな展開です。

アニメ版については、随時 DVD が発売中となっておりますので、見逃してしまった方はよろしければこちら をどうぞ(^^;

本当は、NHKさんが今後集中再放送とかしてくれるといいんですけどねー。
あんなに出来の良い作品を土曜朝のETVって、ちょっとひどいと思いますよ。