一昨日ようやく入手した苛性ソーダ。
前回購入時より、何だかやたらと苦労した印象を持ちました。
たった一年かそこらで、どうしてこんなに取扱店が減ってしまったのか?
妙な感じがしたので、ちょこっと検索などしてみたところ…
毒物及び劇物の適正な販売等の徹底について
(PDFファイル)
(参考:毒物及び劇物取締法 略称 毒劇法)
という厚生労働省からの通達が出てきました。
リンク先は千葉県のサイトですが、冒頭の宛先を見ると全国に同じ通達が出されている事がわかります。
どうやら、 昨秋発生した高校生がタリウムを母親に投与した事件が、今回の規制強化のきっかけになっているようです。
苛性ソーダ購入に影響しているのは、一枚目の記1と2になります。
1の方はいいんですよ、上記毒劇法の14条と15条の遵守が求められているわけですから。
問題は2の項目です。
家庭用劇物(=市販の強力洗剤の類、と思っていただければいいかと)以外の毒劇物の一般消費者への販売等を自粛するよう引き続き指導すること。
出ましたよ。
自粛
便利な言葉ですねえ。
念のため辞書検索で意味を調べてみましょう。
じしゅく【自粛】
(名)スル
自分から進んで自分の言動を慎むこと。
http://dic.yahoo.co.jp/bin/dsearch?p=%BC%AB%BD%CD&stype=1&dtype=0&dname=0ss
ちなみに「慎む」はこういう意味。
つつし・む 【慎む/謹む】
(動マ五[四])
〔「慎(つつ)む」と同源〕
1 あやまちのないように、行動を控えめにする。
《慎》「軽挙妄動を―・む」「言葉を―・む」
2 度がすぎないようにする。
《慎》「酒を―・む」
3 神仏・貴人などの前でかしこまった態度をとる。
《謹》「―・んで承る」「余り―・み給て、今は目も見せ給はねば/狭衣 4」
http://dic.yahoo.co.jp/bin/dsearch?p=%BF%B5%A4%E0&stype=1&dtype=0&dname=0ss
字面どおりに読んだら「一般消費者に毒劇物を販売する時は、よく気をつけてむやみに販売したりしないように」くらいなものですが
お役所の通達でこう言われた場合、そんな意味じゃないですよね。
こういう時の実際の意味は
一般消費者に毒劇物を販売するな!
じゃないですか。
これじゃ、ドラッグストア系は扱わない訳です。
一店舗でもお上に目をつけられたら、チェーンの全店に影響しますから。
たとえ扱っていても、飲食店をやっている方など職業上必要としているのでない限り売ってもらえない理屈です。
その理屈で行くと、一般消費者が苛性ソーダを購入して石鹸を作るのもいけない、という事になります。
巷の本屋さんに行ったら手作り石鹸に関する書籍も沢山出ていますが、これも全部「危険な書籍」扱いですか?
そしたら、手作り石鹸界のカリスマ前○京▽さんを任意同行して事情聴取でもしますか?
出来るわけ無いですよね。法令違反じゃないんですから。
こういう、根拠が無いのに文言の裏読みさせて、権力づくで圧力かけようっていうやり方は、民主主義国としては非常に憂慮すべき状態だと思われます。
だったら購入者の身元をもっときちんと確認できるようにする等して、一般消費者であれ必要な人は正当な方法で購入できるようなルールを作って欲しいと思います。