NY便 人生劇場
とある大学教授殿の体験談。
今回座った席は,62Hという席だ.位置的には下にある通り.
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> > 幸い搭乗が早かったもので,荷物入れはまだ空のままだ.持ち込みバッグの上に大事な商売道具を載せ,さて,お隣はどういった方が来るのかな?
> > 周囲はもうほぼ埋まり,この後方にやってくる人はほぼ途切れたようで,奥の二つが空いていれば,こりゃラッキー!なんせ三席独占して,横になれるのだ.
> > 来ないといいな,いいなという願いも虚しく,前方から男女二人連れが近づき,僕の座っている真横に立つと,チケットの番号と背丈よりやや上に位置する番号とを比較して,そして次に僕の方に目をやる.
> > 僕が席を立たないことには奥に行けないわけで,もちろんにっこり笑って席を立ち,どうぞと言って座っていただいた.ご主人は50台半ば,ご婦人は40台後半といったところか…
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> > ようやく落ち着いたところで,3人連れの家族がすぐ前の席にやってきた.若い夫婦にお嬢ちゃん一人.ご主人は東洋系で奥さんはブロンドの欧米人であった.したがって,その3歳ちょっと過ぎたあたりの女の子はハーフということで,妖精のように可愛らしい.
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> > 若い夫婦はチケットを見て愕然とした.61番で並んでいるようなのだが,F・G・Hといった並びだったのだ.
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> > 奥さんが近くにいたアテンダントに,3人が並んで座れる席はないのか尋ねるも,今日のフライトはほぼ満席状態とチェックインのときに聞いていたんで,おそらく無理だろうなと思い,やはりアテンダントは首を横に振るばかりだ.結局奥さんがFに座り,Gにはお嬢ちゃん,そして通路を隔てて,Hに若い夫が座ることになった.アテンダントとのやりとりがわかっていたのは,恐らく一番近い場所にいた僕だけだったかもしれない.
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> > その夫がリュックを61番の通路側荷物入れの右端に押し込むと,スニーカーも脱いで,そのリュックの上に並べて蓋を閉じようとしたところ,いや待てよと,スニーカーを右端の方に移して,底がリュックに当たるような形で並べた.上に乗せるだけだと,慣性力が働き,左側に転がれば,恐らく後ろに座っている62番の人の荷物の上に鎮座してしまう恐れがある.それを予測しての行動で,敢えて靴底の土埃がリュックに当たる安定した置き方を選んだ.これなら,よほどの乱気流でない限り,靴が移動することはないだろう.
> > この気配りができるということに,なんとなく安心してしまうのは,それだけ僕が年を重ねたからだろうか…
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> > そうして席に着いたあと,ときおり,通路越しに手を差し出すお嬢ちゃんに,それを軽く押し戻す動作をする若い父親…
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> > さて,どうしたものか…
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> > 隣の初老のご夫婦は,さっきまでなにやら話していた.ご存じのように機内の空調やエンジン音はやかましく,ただ語尾だけは久しぶりに耳にした聞きなれた言葉だった.まだテイクオフにはもう少し時間がかかっているのか,動く気配はない.
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> > そうするうちに,62J つまり僕の隣に位置するご主人の目が閉じているのがわかった.これはまずい!このまま熟睡されると,それを起こしてまで頼みごとお願いできるほどの図太さは持ち合わせていない.
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> > とそこで,天からの助けが… 奥さんの方がご主人に話しかけたのである.
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> > 『ん?なに?』と応じるご主人は,まだ完全熟睡には入っていなかったようで,すぐに目を開いて応じ,奥さんの問いかけに答えていた.話しかけるのなら今だ!
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> > いや,もう今しかない.
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> > 「あのぉ,日本人の方でしょうか?」
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> > 話す言葉でわかってはいたのであるが,いきなり日本人だとわかって,用件を話し出すと,何やら聞き耳をたてているように思われるのも気分を害するだろうと,こう切り出してみた.
> > 日本語の先生から叱られそうな言い方かなと思いつつ,反応を待った.
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> > 『あ,はい,そうですが…』
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> > ご主人が答え,奥さんの方は何やら怪訝そうな顔だ.
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> > さらに,こう尋ねてみた.
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> > 「ひょっとして,窓からの景色を楽しみにされて,ここを取られましたか?」
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> > するとすぐに…
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> > 『いえ,別に…』
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> > 窓の横に座る奥さんが答えた.
> > デジカメを手にし,窓からの風景を何枚でも撮って思い出を増やしたい,なんて思いでいられると,これまた困ったことになるからである.
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> > よし,これでいけるぞ!と勇気づけられた.
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> > 「実は,前のご家族が通路隔てて席が離れ離れになっておられるようなんですが…
> > もしよろしかったら,僕がこの前の61Hに移り,お二方には,この前の61のFとGに移っていただけると,家族3人が並んで座れるようになるんですが,どうでしょう?」
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> > ほんの一瞬困惑したようだが,前の3人家族にちょっとだけ目をやり,すぐに答えてくれた.
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> > 『あぁ,別にいいですよ!』
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> > と快く僕の提案を受け入れ,毛布をたたみ,枕を手に取り,移動の準備を始めてくれた.
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> > ほっと胸をなでおろし,そして,前に座る若い父親の左側の肩あたりを,後ろから乗りだして軽く叩いた!
> >
<the End>
以下、私の感想、
なるほど@
こういう話し、機内乗務しているともうわんさかありますね^
ただ、こうして文章化することないので、記憶の彼方にgone。
素敵なお心遣いですね。
と同時に、(私もそうなのですが)もしかして、御自身の為でもある?
前の席に鎮座した、子連れ若夫婦が、通路隔てて、手を伸ばしたり引っこめたり、
相当うっとうしいはず?では?
私だったら絶えず睡眠を邪魔されそうで気になってしまう。
お声を掛けねばならない対象にもよりますね。
たまたま初老ご夫婦でしたから、御理解早くて良かったですね。
相手の人品見ないとヘタに声かけられないから、ちょっと眼力要ですね。
こうして自らの創意工夫(おおげさ?)によって、席を円満解決してくた
PAX(お客様)には、私は必ず御礼申し上げることにしていました。
自分の担当ゾーンならではですけど。
それによって、PAXもrecognition受けて、満足^^
この場合の若夫婦は、席が離れてもダダをこねない典型ですが、この
真逆がこの世にはゴマンとあるのです。
1、喫煙の煙りが舞い込む、禁煙席の後方ゾーンにアサインされた客
2、泣き叫ぶ赤ちゃんの隣に座るはめになったビジネスマン
3、団体客に接する個人客
4、隣のアフリカ系らしき人が臭いから何とかしてくれ
5、隣の子供がうるさい、眠れない、
6、寒いから何とかしてくれ
7、リクライニング出来ない席なので我慢できない←もちろんエアラインの責任
(こういう便に限って、ビジネスもエコも満席、おまけに長距離NY便、これから13時間我慢のしどころ)
座席の問題は、レストランでもそうだけど、最頻出問題。大学受験英単語100と同じ!
それに、外国人CAの態度、食事のまずさ、映写機brokenで映画見られない、13時間どうすればいのよ~
トイレきたない、臭い、通路に頭だして寝ていたらごつかれた、後ろの足蹴りが止まない。etc...
このせま~い500人満席のB4-400機には実にさまざまな人間模様が繰り広げられるのですね~
さて、時の首相や元大統領も利用するファーストクラスはどうか?
実に優雅に時が流れていくのであります。
第一、スポーツ新聞持ってきて、という開口一番に言うお客なし。
せめてここはファーストクラス、格好つけてWall Street Journal or NewYork
Times, Herald Tribuneでしょう?!
彼らに至っては、
新聞一つわれわれCAに頼むのにも、
When you are not busyな時、持ってきてくれればいいよ!
と決め言葉を忘れない。
同じ人間、席のことでず~っつと文句を言うひとと、
上記の物言い、一体どこでどう人間の運命や人生に差がつくのなか~
と人生劇場は今日も続くのでした。
いつも私が感じていたのは、あれがやだ、赤ちゃん鳴き声うるさい、食事だめ
と云い募る人には、私こう思っていました~
Billionaireになって自家用機買って頂戴、
ガルフストリームJETには大きなベッドに美女と二人きり、へんな家族も悪臭もしないよ~
赤ちゃんの泣き声で大事なおつむの思考回路が切れることもないし。
キャビアにvintage champagne,専用コック、天井からは好きな音楽&アロマでこの世は、欠けたることもなし望月。
だって世の中、実際にこれ実現しているお歴々いっぱいいるしね。
なんたって資本主義♪