川島なる食卓
これはファンの方からいただいた品物です
その名を「ドラえもんっち」といいます
画面の液晶に現れる0歳のドラえもんをどら焼きを与えたりゲームをしてご機嫌を伺ったりしながら発育させていくものです
一昔前「たまごっち」というのが流行ったのは皆さんの脳みそのシワにもしっかり挟まっていることでしょう
当時イケてないにしても肌がプルプルな学生だった私もその画期的な育成ゲームに憧れを抱き近所のおもちゃや電気屋を6段変則のギアを搭載した自転車で走りまわり探しました
結果はやはり売り切れ門前払い
しかしトボトボと肩を落とし立ち寄ったゲーム屋
「○○をお買い上げのお客様にもれなく卵型育成携帯ゲームプレゼント!!という張り紙が!!(○○の中にはゲーム国民の期待をこれでもかと裏切りまくった某クソつまらない格闘ゲームソフトの名前が入ります)」
私は驚喜のあまり軽やかなステップを踏んだがそれもすぐに終えしばらく考えた
「○○はいらない…でもたまごっちは喉から鬼の手が出るほどほしい…」
どうするべきだ
その時、すでに就職をし学生には考えられない月給をもらっていた兄の顔が浮かんだ
「……これだ!」
その時、川島は動いた
颯爽と自転車にまたがり立ちこぎで家に帰宅
すでに夕食を食べはじめている家族に混じり急いで食事をとった
食べ終えた兄貴が2階に上がるのを追いかけ声をかけた
必死のプレゼンの開始だ
階段の兄貴に
「な、なぁ○○ってめちゃくちゃおもろいゲームがあるらしいぜ…」
兄貴は驚いた様子で
「…なんや急に?○○?あれお前おもんないって言うてたやんか」
この時程過去の自分を呪ったことはない
正直な過去の自分に舌打ちをした
しかし引くに引けない状況
僕は攻めた
「いや、あれ裏ワザでな、ザンギエフが出てくるらしくてな、それがおもろいんやて」
僕はとっさにスト2で最強の呼び声高いロシアの名プロレスラーの名を言い放った
もちろん嘘だ
しかし兄は
「ザンギエフ?ザンギエフはカプコンのキャラやんか。○○はカプコンのソフトやないやろ。なんでザンギエフが出てくれるねんな」
…しまった!!
僕が毎週欠かさず買っていた週刊ファミ通を兄貴もトイレで読んでいる事実を忘れていた
下手な嘘は通じない…
が攻めるしかない
「どうなんやろ、…ザンギエフは人が良いんやろ、優しいからそんなん関係なく出てるんちゃうか」
言ってる途中から僕の顔は引きつってたと思う
なんと稚拙な言い分だろうか
やってしまった
すると兄貴はゆっくりと口を開いてこう言った
「…そやな」
いけた!?あら!?まさかのラッキーパンチが兄貴の心のこめかみをとらえたようだ
グラついた兄貴の心にさらに○○をプレゼンし誘惑の言葉を連打した弟の私
ついには兄貴から「明日朝イチで○○を買いに行ってきてくれ!」というセリフを言わすまでの圧勝を勝ち取ったのだった
ほぼ記憶にはないが見事なプレゼンだったに違いない
そして次の日。日曜日。私は軽やかに、そして必要以上にギアを変則させてゲームショップに
ドキドキを押し殺して預かった5千円札をレジにて○○と交換した
その時僕は声こそは発しなかったが唇だけ「アニキスマナイ」と動いた
商品を受け取ると店員さんは
「今○○をお買い上げの方にこちらをプレゼントしてますんで」
といってちっちゃい箱を袋に挿入した
なぜか僕は
「あ、そうなんだ。別にいらないけどね~まぁくれるんならもらうけど」的な顔をした
誰に向けてやったのかその芝居は。
いや、遠く離れた兄貴に向けて罪悪感から自然にやっていたのだろう
家に帰るや兄貴は
「遅いぞお前!とりあえずコントローラーでスクリュードライバーのコマンドの練習だけしといたから準備万端や!」
純粋な兄貴に感謝
この人が幸せになりますように
心からそう願った
○○のソフトだけを兄貴に渡して僕は袋を持ち自分の部屋に入った
緊張の一瞬
いよいよあの方と、たまごっち様とご対面だ
高まる鼓動
血走る瞳
冷たいくるぶし
ゆっくりと取り出した品物に書いてあった言葉は
「たまごろうっちゃん」
だった
たまごろうっちゃん!?
たまごっち?
いや、たまごろうっちゃん!
うずまくハテナ
たまごろうっちゃんて誰?
ちきしょう!!
つかまされた!!
コイツはたまごっちじゃない!たまごろうっちゃんだ!!
「っ」の位置がめちゃくちゃ不愉快なたまごろうっちゃんだ!!名字がたまごろで名前がうっちゃんなのか?
僕は全てを失ったような気がして
しばらく呼吸もできなくなった
茫然と座りこむ僕の耳に隣の部屋から聞こえてきたのは
「明~!何してんねん、早くザンギエフ出してくれ~」
というセリフ
将軍様に「この屏風の中の虎をここに出してみせい」と言われた時の一休さんはこんな気持ちだったのだろうな
でも僕にはとんちも使えないし増してやザンギエフを出す裏ワザなんてものが自分の作り出した詐欺
僕はゆっくり立ち上がって兄貴の部屋に向かったのだった
「プレイ時間が300時間超えたらザンギエフ出るんやわ」
という言葉(モンスター)とともに
あ
たまごろうっちゃん
コレは意外にもなかなかおもしろかったよ
その名を「ドラえもんっち」といいます
画面の液晶に現れる0歳のドラえもんをどら焼きを与えたりゲームをしてご機嫌を伺ったりしながら発育させていくものです
一昔前「たまごっち」というのが流行ったのは皆さんの脳みそのシワにもしっかり挟まっていることでしょう
当時イケてないにしても肌がプルプルな学生だった私もその画期的な育成ゲームに憧れを抱き近所のおもちゃや電気屋を6段変則のギアを搭載した自転車で走りまわり探しました
結果はやはり売り切れ門前払い
しかしトボトボと肩を落とし立ち寄ったゲーム屋
「○○をお買い上げのお客様にもれなく卵型育成携帯ゲームプレゼント!!という張り紙が!!(○○の中にはゲーム国民の期待をこれでもかと裏切りまくった某クソつまらない格闘ゲームソフトの名前が入ります)」
私は驚喜のあまり軽やかなステップを踏んだがそれもすぐに終えしばらく考えた
「○○はいらない…でもたまごっちは喉から鬼の手が出るほどほしい…」
どうするべきだ
その時、すでに就職をし学生には考えられない月給をもらっていた兄の顔が浮かんだ
「……これだ!」
その時、川島は動いた
颯爽と自転車にまたがり立ちこぎで家に帰宅
すでに夕食を食べはじめている家族に混じり急いで食事をとった
食べ終えた兄貴が2階に上がるのを追いかけ声をかけた
必死のプレゼンの開始だ
階段の兄貴に
「な、なぁ○○ってめちゃくちゃおもろいゲームがあるらしいぜ…」
兄貴は驚いた様子で
「…なんや急に?○○?あれお前おもんないって言うてたやんか」
この時程過去の自分を呪ったことはない
正直な過去の自分に舌打ちをした
しかし引くに引けない状況
僕は攻めた
「いや、あれ裏ワザでな、ザンギエフが出てくるらしくてな、それがおもろいんやて」
僕はとっさにスト2で最強の呼び声高いロシアの名プロレスラーの名を言い放った
もちろん嘘だ
しかし兄は
「ザンギエフ?ザンギエフはカプコンのキャラやんか。○○はカプコンのソフトやないやろ。なんでザンギエフが出てくれるねんな」
…しまった!!
僕が毎週欠かさず買っていた週刊ファミ通を兄貴もトイレで読んでいる事実を忘れていた
下手な嘘は通じない…
が攻めるしかない
「どうなんやろ、…ザンギエフは人が良いんやろ、優しいからそんなん関係なく出てるんちゃうか」
言ってる途中から僕の顔は引きつってたと思う
なんと稚拙な言い分だろうか
やってしまった
すると兄貴はゆっくりと口を開いてこう言った
「…そやな」
いけた!?あら!?まさかのラッキーパンチが兄貴の心のこめかみをとらえたようだ
グラついた兄貴の心にさらに○○をプレゼンし誘惑の言葉を連打した弟の私
ついには兄貴から「明日朝イチで○○を買いに行ってきてくれ!」というセリフを言わすまでの圧勝を勝ち取ったのだった
ほぼ記憶にはないが見事なプレゼンだったに違いない
そして次の日。日曜日。私は軽やかに、そして必要以上にギアを変則させてゲームショップに
ドキドキを押し殺して預かった5千円札をレジにて○○と交換した
その時僕は声こそは発しなかったが唇だけ「アニキスマナイ」と動いた
商品を受け取ると店員さんは
「今○○をお買い上げの方にこちらをプレゼントしてますんで」
といってちっちゃい箱を袋に挿入した
なぜか僕は
「あ、そうなんだ。別にいらないけどね~まぁくれるんならもらうけど」的な顔をした
誰に向けてやったのかその芝居は。
いや、遠く離れた兄貴に向けて罪悪感から自然にやっていたのだろう
家に帰るや兄貴は
「遅いぞお前!とりあえずコントローラーでスクリュードライバーのコマンドの練習だけしといたから準備万端や!」
純粋な兄貴に感謝
この人が幸せになりますように
心からそう願った
○○のソフトだけを兄貴に渡して僕は袋を持ち自分の部屋に入った
緊張の一瞬
いよいよあの方と、たまごっち様とご対面だ
高まる鼓動
血走る瞳
冷たいくるぶし
ゆっくりと取り出した品物に書いてあった言葉は
「たまごろうっちゃん」
だった
たまごろうっちゃん!?
たまごっち?
いや、たまごろうっちゃん!
うずまくハテナ
たまごろうっちゃんて誰?
ちきしょう!!
つかまされた!!
コイツはたまごっちじゃない!たまごろうっちゃんだ!!
「っ」の位置がめちゃくちゃ不愉快なたまごろうっちゃんだ!!名字がたまごろで名前がうっちゃんなのか?
僕は全てを失ったような気がして
しばらく呼吸もできなくなった
茫然と座りこむ僕の耳に隣の部屋から聞こえてきたのは
「明~!何してんねん、早くザンギエフ出してくれ~」
というセリフ
将軍様に「この屏風の中の虎をここに出してみせい」と言われた時の一休さんはこんな気持ちだったのだろうな
でも僕にはとんちも使えないし増してやザンギエフを出す裏ワザなんてものが自分の作り出した詐欺
僕はゆっくり立ち上がって兄貴の部屋に向かったのだった
「プレイ時間が300時間超えたらザンギエフ出るんやわ」
という言葉(モンスター)とともに
あ
たまごろうっちゃん
コレは意外にもなかなかおもしろかったよ
