其之九 小さくて、大きな忘れ物 | 井上のこの世はでっかい宝島

其之九 小さくて、大きな忘れ物

川島、見たんだな。

よかった、よかった、まさかそんなにも喜んでくれるとは。

その気持ちわかるよ。俺ももらった時、そんなんだった。

サプライズの甲斐があったよ。


お前がこんなにも感情にだして喜んでいるのは、俺が知ってるかぎり、

リチャード・クレイダーマンが日本に来日した時だけだもんな。

本当に先生や、はらせんに感謝だな。

この勢いで、M-1で優勝でもしておくれ。

そんで、その賞金で、昨日開けっ放しでシケシケになって食べれなくなった、

代わりのチップスターでも買ってちょうだい。



んで、今日なんですが、

夜収録が終わって、タクシーで家に帰る時に気づいたんですが、

家の鍵を楽屋に忘れてしまいました。

マネージャーやスタッフさんの前で勢いよくタクシーに乗った手前、

その場で引き返したくはなく、とりあえず家の前に着いてから

取り乱そうと思い、踏み入れることの出来ない家の前に到着。


寒い、寒い。


スースー言いながら己のポケットをもう一度信じてみる。


「スーー無いよー、スーどこスーにもスー。もうスースーだよー!」

(トンネルの入り口付近で聞くラジオみたいになってました。)

あまりにも薄着で寒すぎたので、

一瞬でプライドを捨て、マネージャーに電話して探してもらい、

バイク便で送ってもらう事に、


一時間、家の前でスースー言いながら待っていたら、バイク便の人が到着。

その人は颯爽とバイクから降り、僕を見つけヘルメットを取りながら、


 「スー井スー上さん?スースー、これ、スーお届け、スー物でスー。」


僕と同じテンポでスースー言ってるのを見るとすごく申し訳なかったです。

寒い中すいませんでした。

そう思いながら無事に鍵を受け取り、僕もスースー言いながらサインをして、

バイク便の人もスースー言いながら帰っていきました。


今思えば、最後の方は二人ともスースーしか言ってなかったなぁ~。

高くつく失敗だったと反省し、それと同時にバイク便の便利さを知った、

そんな寒い夜でした。


みなさん、更新が朝方ですいませんです。