このお話をするまえに、”有名”ってどういう状態なんでしょう?
この定義で躓くと話が前に進まないので、”街を歩いていて、ちょくちょく気付かれる”と一時的に定義しましょう。

僕は有名にならなければ、ショウビジネスは難しいという話を先日書きましたが、結局、有名になる為の具体的な方法については、まだ書いていません。それはなぜかと言いうと、”こうすれば有名になれる”という”特効薬”は無いからです。そのかわり、”こうしていては有名にはなれません”という、はっきりした間違いは、いくつか知っています。
ですから、有名になる方法というのは、僕が考えているモテる(異性とは限らない)方法と同じで”消去法”しかないのです。つまり、文章にするとながいので、ちょっとずつ書きます。

と、いうわけで今回は、有名になった後のネガティブな方の話です。

最初のウチは、街で気づかれたり、声をかけられるのが嬉しかったです。そういうふうになる事を願っていましたから。ところが、喜んでいるのもつかの間、ファーストフードやカフェで好きな漫画雑誌を読みふけっている時も、周りからチラチラ見られたり、「あいつ、トランプのやつだよな?」とか聞こえたり、全体の1割程度ですが、ちょっとお行儀の悪い人も現れるようになってきて、だんだんひとりで外に出るのが億劫になっていきました。

最悪だったのは、友人と飲んでいてお店の電波が悪かったので、ひとりで道路に面した扉の外でメールを打っていると、若い男性二人が遠くから歩いてきて、5メートルくらいのところで「おい、あれそうだよな?」「うそ、違うだろ」「絶対そうだよ、見てくる」というような会話をしたと思ったら、帽子を被って下を向いて携帯を見ていた僕の前に片方の男性がきて、しゃがんで顔を覗き込んで、「本物だ」といって二人で爆笑しながら去っていきました。
その間、「こんにちは」とか、「すみません」とかの挨拶的な言葉は全く無く、まるでマネキン人形の服を確認するかのようでした。

このような話をすると、よく「有名税だからしかたないよ」と言う方が居ますが、納得いかないです。
ちょっと、感情的になってしまいました。スミマセン。(^_^;)

何が言いたいのかというと、有名になるというのは、日本全体が地元の町内みたいになることだと言いたいのです。町内を歩いていると、「あら、あきらくん」と見たことあるけどよくわからないおばさんに声をかけられたりするあの感じです。あの感じが全国、どこを歩いていても一日に一回以上(最近は一週間に一回)あるわけです。
これは、芸人としては大変ありがたい話です。出来ることなら全てのみなさんに笑顔で答えたいですが、ヘトヘトに疲れていたり、トラブルが発生して現場に急行している途中だったりすると、さすがに笑顔がつくれません。

僕はこうなることを予想していませんでした。しかも、元に戻れないということを有名になってから気づいたのです。(戻りたいわけではありませんので誤解の無いようにお願いします)

ここを読んでいる有名になりたい人は、そんなことも考えておくといいかもしれません。

今回は否定的なことだけ書いていますが、実際には有名になって変わったことの7割くらいはいいことです。ありがたいことや嬉しいかった事も、ちょっとずつ書いていきます。
(^^)