結婚相談所から申し込んだ11才歳上力石徹に似た方とは既に交際終了とされたが、12月に入りクリスマスを一緒に過ごして、もう帰る所だ。
本来であれば力石と食事しながら、
これからの私達の事など会話したかったのだが、
帰りの車の中で、
ラーメンでも食べて帰るかと聞くと力石は、
クリスマスにラーメンはちょっとなどと言い、
まるで花の女子大生のように難しいから、
場は白けておるし会話はまた次回で良いかと諦める。
しかし、次回で良いかなどと思えるのは、
先程私の携帯に元旦那から、メリークリスマスのメッセージが来たからだ。
私の人生で、男が今力石1人しかいなかった場合は、恐らく感情の赴くまま不機嫌に、
結婚するのかしないのかいい加減はっきりせよ、と鬼ババアのように迫っていたのかもしれぬ。
選択肢があると人には余裕が生まれる。
逆に、選択肢があるとフォーカスがブレる。
いや、本当に力石が大切であるならば、
彼を問いただすのでは無く、
自分の想いを丁寧に彼に説明すべきであろう。
ゴマ様ブログで学んだ綺麗売りは、
我慢こそが必要だと思うておったが本来は、
相手と自分の心に、丁寧に向かい合うと言う事なのかも知れぬと気付かされる。
NoMoreGSP.
まあ舘ひろしと出会ってから、
力石のテンションは下がっておったし、
私も金の香りに触発されてか、
昔付き合った金持ちの男を思い出したりしたものだから、タイミングが悪かったな、
と結局人のせいにする。
30代、私は金持ちの男と付き合った時に
沢山の贅沢を貰った。
しかしある夜その金持ちが寝ている時、
あの女の私は彼のPCのメールを覗いて驚いた。
そこには当然、沢山の女。
と共に、元嫁から、
光熱費を払ってくださいすみません、
というメールが混じっていて、その悲鳴のようなメールは離婚前からずうっと続いておった。
元嫁は彼の子どもと共におるが、彼は自分の人生からそれをスッパリ切り捨てていた。
そのメールにある光熱費の倍の金額が、先程の晩飯に消えたばかりだ。
誰が悪いとか私は言える立場に無い。
但し、元嫁の名前を変えれば己の事となる。
力石はケチだが、
私にとってそこは深刻な問題では無い。
自分が行きたい店は、自分の金で行けば良い。
欲しい物は、自分で買えば良いだけだ。
何故なら私には収入がある。
では、彼との最大の問題点は何かと言えば、
彼が私と結婚したく無さそうである事、
そして私が、それを見ないようにしている事
これに尽きる。
頑固な私はこのクリスマスに、
力石の愛の片鱗を見付けて安心しようとしただけだ。