# 最近有難い事にコメントを頂けるが、嬉しさの余り両手が震えて承認ボタンが中々押せずにかたじけない。









結婚相談所から申し込んだ11才歳上力石徹に似た方とは既に交際終了とされたが、

12月に入り日帰り旅行で熱い口付けを交わす。
















力石とはクリスマスを過ごす為、

本日会う約束をしておる。


私は勿論、

恵比寿アトレでヘアとメイクを予約する。














靴はロエベ、バックは限定のルイヴィトンと気合いを入れお洒落はしておく。

だって、万が一素敵な店など予約してあった場合を考えたら、なるべく綺麗よりにしておく必要があるだろう。





しかし、どうせセコい力石の事だから

本日のレストランは期待せぬ事にしようと、

何度も己に言い聞かせる。

期待をすれば、

予想に反した際にどうしたって不機嫌になる。







夜は相変わらず銀座のマロニエゲートで待ち合わせる。

街は本格的なクリスマスモードでごった返し、

歩道にいる皆がジングルベルのリズムで歩いておる。









力石は電気自動車で現れる。

彼の服装は、いつもの着倒した黒いユニクロで

これで洒落たレストランなどに行く訳が無い。

お主の豊富な収入は一体どの業界を潤しておるのだ。と、少しだけヒリヒリする。






車の中で力石が、

行きたい店はあるかと聞くので、

何と答えるのが良いのか戸惑いながらも、

考えていなかったと答える。




すると、

前から行ってみたい店が青山にあるのだが、

そこでも良いかと聞かれるので、

それは良いなと私も頷く。






行く場所をちゃんと考えておいてくれたのか、

と嬉しく思う。が、

実際に到着した場所はクリスプサラダワークスだ、ダイエット中の意識高い系女子が、

独りでお洒落に野菜をモグモグする場所だ。























私は力石の顔面を掴み、

店のガラス戸に押し付けて

コノヤロウバカヤロウと言ってやりたい気分になる。




ガラスに押し付けられて変形する力石の顔、

凄い形相で押し付ける髪の長い女。






お洒落をしたのに、いくら何でもクリスマスにサラダバーに連れて来られたら、

こんな妄想でもしていないとやってられない。






昔の私であれば、


一人で入れ私は車の中で待っておる。


と言い放ち、不機嫌にロクに口も効かなくなっていたであろうから、

ここ数年で我慢と忍耐を覚えて立派に成長したと思う。