結婚相談所から申し込んだ11才歳上力石徹に似た方には既に交際終了とされたが、来週旅行に行こうと誘われる。
それで、旅行先はどこにするかと、
帰宅後もメッセージのやり取りをした結果、
今綺麗になった熱海に行こうと決まるから、
まるで昭和の新婚旅行のようだ。
どうせなら平日会社をサボって行くかと、
学生気分で日付けも決まり、
列車は当日空いているだろうと力石は言うが、
私は予約しておかなければ心配になるタチなので、行きの列車だけチケット2枚を予約する。
往復を買おうと思ったのだが、
イヤ、こんな事あってはならぬのだが、
旅行と言ったら通常宿泊有りが一般的であるから、もしかしたら手を握り合って寝たりして、
帰る日付けは行きとは異なるかも知れぬ。
しかしまだ、身体の関係になどなる訳には行かないぞと、1人フガーと気合いを入れる。
でも、相手は力石だぞ、元ラガーマンであるし、
あの二の腕と、体格も良いし、下半身もさぞ立派な予感がするから見てみたい、
どんなだ、どんなのなのだ。ぐむむむ。
そして翌朝は出社した後、
汽車のチケットを取ったぞと、
力石にメッセージを送ると力石から、
おや、本当に取ったのですね。
と返信が来るから、脊髄反射的に焦る。
旅行の話しは冗談であったのか。
すると続けてメッセージは、
では、当日駅で待ち合わせましょう。と届く。
それで、焦ったついでに私は思わず、
向こうでは泊まるのか、
宿は予約が必要かとメッセージを送る。
と暫くしてから、
お泊まりは、相談所のルールで禁止ですから、
日帰りです。
と返信が来て、私はギリギリと歯噛みする。
まるで私から、泊まる誘いをしたみたいでは無いか。下半身を見てみたいと思ったのを、口に出したみたいでは無いか。
しししかも、今まで相談所のルールを無視して来たのは力石の方では無かったか。
こういう時だけ優等生となって、
ホント、AB型とは合わない気がするなと思い、その場を軽く片脚で蹴ると、
もう仕事に戻ろうとエレベーターに乗る。