結婚相談所から申し込んだ11歳歳上の力石徹に似た方と仮交際1ヶ月が過ぎて自宅に招き、翌週は力石の自宅に行く。






土曜日は昼過ぎに上野で待ち合わせる。


私は前日、三越に行った時に、何だか手土産を奮発して買い過ぎ、凄い荷物を抱えておる。


そうやって私は何かと散財するタイプであるから、結婚相手はケチな位が良いと思っておる。

以前の伴侶も金は好きに使うタイプであったから、2人でパッパカ金を世間にばら蒔いておった。




待ち合わせ場所に電気自動車で現れた力石が、私の荷物を一目見て、

今日は家に泊まるつもりなのかと聞く。

家財道具一式を背負って来たので、宜しく頼む。と澄まして言う。



そして、今日は下町を案内するよと

かっぱ橋まで移動する。


途中駐車場に車を停め、山口もえ殿の実家の仏具屋を遠目に初めて見て成程と思う、どうりでご本人も有難いような尊いようなお顔をしておられる訳だ。





私はかっぱ橋商店街を歩くのは初めてで、

見るもの総てが物珍しい。


ロウで出来たサンプルを扱った店は勿論、白い食器だけを扱った店や派手な看板を扱った店など並ぶ。


瀬戸物屋に入って2人で茶碗を眺めて、どれが良いなど選んでおると、新婚気分が味わえる、今日は茶碗とお椀が逆に置いてあるから、本日の夜はベッドで待てという印。などなど少しだけ気持ち悪く一人で妄想する。



そんな折、店の外を職場の縦横球体の女が通ったので驚いた。しかも隣にはデカいアフロを連れておる。


向こうは気が付いておらぬがそう言えば時々かっぱ橋に、誕生石などを購入しに来ると聞いた覚えがある、

あっし、それでアクセサリーを作るんですけと言うておった。



お互いに自分の連れを、相手に何と紹介して良いのか分からないであろうから、

彼女には声をかけないし、また、

見つからないように息を止めておく。